最終更新日:2025.07.28 | 投稿日:2025.07.28

クラミジア感染症とは?女性・男性別の症状と潜伏期間を解説

クラミジア感染症とは?女性・男性別の症状と潜伏期間を解説

クラミジア感染症は2024年現在、日本国内でもっとも感染者数の多い性感染症(性病)です。

性病を疑う症状に侵されても、恥じらいや体裁を気にするあまり、病院へ足を向けることができない方も多いのではないでしょうか。不安な感情を抱きながらも「大丈夫、性病じゃない、時間が経てば良くなる」と、根拠のない思い込みで不安を押し殺す日々を過ごすのはとても辛いものです。また、感染した本人が気づかないうちにパートナーにまでも感染させてしまうリスクの高い性感染症は、互いの健康を阻害し、取り返しのつかない事態をまねくことにもなりかねません。あなたとあなたの大切なパートナーを守るために、性病の正しい知識を身につけましょう。

本記事では、クラミジアをはじめとする性感染症の診断・治療にあたる医師に監修していただき、クラミジア感染による女性・男性別の症状と潜伏期間、そして具体的な感染経路と治療に関する内容を解説します。

目次

クラミジア感染症とは

クラミジア感染症とはクラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされる性感染症です。クラミジアは、主に性行為を通じて粘膜に感染し(接触感染といいます)、炎症を引き起こします。トイレや入浴等の間接的な接触が感染経路となることはまずあり得ません。

クラミジア感染症は、男女ともに半数以上の方が無症状といわれています。そのため、感染していることに気づかずにクラミジアの侵入を許してしまい、性行為でパートナーへ感染させてしまうことが多々あります。性感染症は早期発見と適切な治療が非常に重要ですので、疑わしい症状がある場合は速やかに医療機関を受診してください。

クラミジアの潜伏期間、症状が出るまではどれくらい?

クラミジアの潜伏期間は、感染から1〜3週間程度ですが、個人差があります。この期間内に症状が現れることもあれば、無症状のまま長期間感染が続くこともあります。 無症状の感染者も感染源となり得るため、症状がなくても定期的な検査が重要です。

クラミジア感染症は自然に治る?

クラミジア感染症は自然治癒することはありません。適切な治療をしないと、パートナーにも感染させてしまうだけではなく、感染状態が続くことで合併症を引き起こすリスクが高まります。適切な治療を受けることが必要です。

自覚症状がない場合でも検査をおすすめする方

無症状でも感染している可能性があるため、以下のような方々には検査を強くおすすめします。

  • 性的に活発な若年成人
  • 新しい性パートナーがいる方
  • パートナーが性感染症に感染していることが判明した場合
  • 不特定多数の性パートナーがいる場合
  • コンドームを使用せず性行為をしている

症状がある方や高リスク行動がある方は、積極的に検査を受けることが推奨されます。これにより、早期発見と治療が可能となり、感染拡大を防ぐことができます。

女性のクラミジア感染の症状チェック

女性のクラミジア感染の症状チェック

女性のクラミジア感染の症状は非常に軽度であることが多く、自覚症状がないまま感染が進行することが多いです。具体的な症状には以下のようなものがあります。

  • おりものの増加や軽い下腹部の痛み
  • 排尿時の違和感、痛み
  • のどの違和感
  • 不正出血や性交した時の痛み
  • 異常なおりもの

など、これらの症状がある場合、速やかに医師に相談することが重要です。早期診断と治療により、合併症のリスクを最小限に抑えることができます。

おりものの増加

黄色や緑色の膣分泌物が増えることがあります。

排尿時の痛みや不快感

排尿時に焼けるような痛みや頻尿がみられます。

下腹部の痛み

月経中以外で下腹部痛が続くことがあります。

性交時の痛み

性交時に痛みや不快感を覚えることがあります。

不正出血

月経周期に関係なく、不正出血が見られることがあります。

男性のクラミジア感染の症状チェック

男性のクラミジア感染症の症状

男性もクラミジア感染の症状が軽度であることが多いですが、以下のような症状が見られます。

  • おしっこをした時の軽い痛み
  • 尿道から膿が出たり、かゆくなる
  • 陰嚢のあたりが腫れて熱が出る

など、これらの症状が見られる場合は、直ちに医療機関を受診することが推奨されます。

尿道からの分泌物

透明なサラッとした液体、または膿のようなネバネバした白っぽい分泌物が見られることがあります。

排尿時の痛みや不快感

排尿時に焼けるような痛みや頻尿がみられます。

睾丸の痛みや腫れ

精巣上体に炎症が起こり、睾丸に痛みや腫れが生じることがあります。

クラミジアを放置すると

クラミジア感染症を放置すると、女性の場合はクラミジア菌が子宮、卵管、卵巣に広がり炎症を引き起こします。

クラミジア感染症を放置すると、女性の場合はクラミジア菌が子宮、卵管、卵巣に広がり炎症を引き起こします。これにより、慢性的な骨盤痛が起こります。(骨盤内炎症性疾患:PID)

さらに、PIDによって卵管が閉塞し、卵子と精子が受精することができなくなるため、不妊症を引き起こす可能性があります。また、卵管が損傷し、受精卵が子宮外に着床することで、生命を脅かす異所性妊娠が発生するリスクが高まります。

男性の場合は、精巣上体に感染が広がり、痛みや腫れを引き起こします。(精巣上体炎)これが慢性化すると、不妊症の原因となることがあります。 尿道の炎症により、排尿時の痛みや分泌物が増加します。(尿道炎)また、前立腺に感染が広がり、慢性的な前立腺炎を引き起こすことがあります。

クラミジア感染によって性器の粘膜が損傷するため、男女ともにHIV感染のリスクが高まります。

クラミジアの検査方法

クラミジア感染の診断には、以下のような検査方法が用いられます。

尿検査

尿中のクラミジアを検出することで診断します。特に男性で一般的な方法です。

膣・尿道分泌物の検体採取

女性の場合、膣や子宮頸部からの分泌物を採取し、クラミジアを検出します。 これらの検査は迅速かつ正確であり、感染の有無を確実に判定することができます。

クラミジア感染症の治療

クラミジア感染症の治療クラミジア感染症は抗菌薬による薬物療法が行われます。

クラミジアは一部の抗菌薬に対して耐性を備えており、耐性の少ないマクロライド系、テトラサイクリン系、ニューキノロン系の抗菌薬が用いられます。

クラミジアはどのくらいで治る?

適切な治療を受ければ、クラミジア感染症は通常1〜2週間で治癒します。

治療期間中および治療後1週間は、再感染を防ぐために性交渉を避けることが重要です。また、パートナーも同時に治療を受けることが推奨されます。

よくあるご質問

クラミジア感染症とはどのような病気ですか?

日本国内でもっとも感染者数の多い性病のひとつです。

クラミジア感染症は、クラミジア・トラコマティスという細菌によって引き起こされる性感染症で、日本国内でもっとも感染者数の多い性病のひとつです。主に性行為やオーラルセックスなどの粘膜接触を通じて感染し、男女ともに症状が軽いか無症状であることが多いため、気づかないうちにパートナーにうつしてしまうリスクが高い点が特徴です。

クラミジアの潜伏期間と症状にはどのような特徴がありますか?

感染後の潜伏期間は1〜3週間程度とされており、男性では排尿時の違和感や軽い尿道分泌物、女性ではおりものの異常や不正出血、下腹部の鈍痛などが現れることがあります。

しかし、多くの感染者が無症状または非常に軽い症状で経過するため、感染に気づかず放置されやすいのが問題です。

クラミジアは何人に一人が発症していますか?(有病率)。

女性では約20人に1人、男性では30人に1人程度が感染しているとされています。

厚生労働省や性病研究機関のデータによると、若年層(20代)の女性では約20人に1人、男性では30人に1人程度が感染しているとされています。特に10代後半〜30代前半にかけての性活発層で感染率が高く、年間10万人以上の新規感染が報告されている日本国内の代表的な性感染症です。

クラミジアに感染したら、何科を受診すればよいですか?

性であれば泌尿器科、女性であれば婦人科または産婦人科の受診が基本となります。

クラミジア感染が疑われる場合は、男性であれば泌尿器科、女性であれば婦人科または産婦人科の受診が基本となります。性別にかかわらず、性感染症外来や性病専門のクリニック、皮膚科でも対応している場合があり、匿名で受診できる施設も存在します。恥ずかしさから受診を先延ばしにすることなく、早めに相談することが大切です。

妊娠中にクラミジアに感染するとどうなりますか?胎児への影響はありますか?

妊娠中のクラミジア感染は、流産や早産、羊膜炎などのリスクを高める可能性があります。

また、分娩時に赤ちゃんへ感染が及ぶと、新生児肺炎や結膜炎を引き起こすことがあります。そのため、妊婦健診ではクラミジアの検査が行われることが多く、陽性であっても抗生物質による安全な治療が可能です。

クラミジアの致死率はどれくらいですか?命に関わることはありますか?

クラミジア自体の致死率は非常に低く、一般的に命にかかわる病気ではありません。

ただし、放置した場合には男性では副睾丸炎、女性では骨盤内感染症(PID)や卵管閉塞、不妊症のリスクが高まります。まれにクラミジアが原因で発症する「ライター症候群(関節炎・結膜炎・尿道炎の三徴候)」などの合併症が問題になることもあります。

クラミジアを予防するにはどうすればいいですか?

クラミジア感染を防ぐには、コンドームを正しく使用することが最も効果的な予防法です。

ただし、オーラルセックスや接触感染によるリスクもあるため、100%防ぐことは困難です。不特定多数との性的接触を避けること、パートナーと定期的に性病検査を受けること、自覚症状がなくても検査を習慣化することが、感染拡大を防ぐ上で非常に重要です。

クラミジアは自然に治りますか?治療しないとどうなりますか?

クラミジアは自然に治癒することはほとんどなく、放置することで症状が悪化したり、他の合併症を引き起こす可能性があります。

男性では副睾丸炎や精管の閉塞、女性では卵管の癒着や子宮外妊娠のリスク、不妊につながるケースも報告されています。抗菌薬による治療が必要で、パートナーも同時に治療することが再感染予防につながります。

クラミジア感染が不安ですが、症状がなくても検査は受けるべきですか?

はい。クラミジアは無症状のまま感染が広がりやすい感染症の代表格です。

症状がないからといって安心せず、心当たりがある場合やパートナーが感染していた場合は、速やかに検査を受けるべきです。特に女性は症状が乏しいことが多く、気づいたときにはすでに合併症が進行していることもあるため、定期的なチェックが推奨されます。

クラミジアは一度治っても再感染しますか?予防接種はありますか?

クラミジアは何度でも再感染する可能性があり、現在のところ予防接種(ワクチン)は存在しません。

一度治療しても、再び感染したパートナーと性行為をすれば再感染するリスクがあります。完治後の再検査、パートナーの同時治療、継続的な予防意識がとても重要です。

この記事をシェアする

こちらの記事の監修医師

永井 良

ペアライフクリニック横浜院永井 良 先生

ペアライフクリニックは自由診療の性感染症内科です。
当院は「性病を減らす」ためにクリニックをオープンしました。

性感染症でお悩みの患者さまは様々な事情を抱えてご来院されます。どこよりも患者さま思いのクリニックを作ることで、全ての方に行って良かったと思ってもらえるクリニックづくりを日々取り組んでおります。

性感染症は、一般的な風邪やケガと違い他人に相談や共有しにくい病気です。また実際にクリニックに行くとなった際に様々な不安を抱えるかと思います。

当院では「院内のプライバシー」「匿名性」「価格」「スタッフの待遇」「アクセス」などの来院する上で不安を感じるポイントに対して、真摯に向き合いどこよりも通いやすいクリニックづくりを追求しています。

監修医師の詳細はこちら

関連記事のご紹介

梅毒とは?感染経路と女性・男性別の症状、過去最多となった原因を解説

梅毒とは?感染経路と女性・男性別の症状、過去最多となった原因を解説

梅毒とは性感染症(性病)の一つです。現在、性感染症の梅毒患者報告数が急激に増加し
  • 五十嵐 司
  • いがらしレディースクリニック 五十嵐 司 先生
  • #婦人科
  • #産科
淋病(淋菌感染症)とは?女性・男性別の症状と潜伏期間を解説

淋病(淋菌感染症)とは?女性・男性別の症状と潜伏期間を解説

淋病(りんびょう)とは、淋菌(Neisseria gonorrhoeae)とよば
  • 五十嵐 司
  • いがらしレディースクリニック 五十嵐 司 先生
  • #婦人科
  • #産科

© ヨクミテ|医師監修の医療メディア, Inc. All Rights Reserved.