最終更新日:2024.04.04 | 投稿日:2022.08.23

便の色がおかしい?緑色・赤黒色・灰白色、正常で健康な便と体調の変化を解説

便の色がおかしい?緑色・赤黒色・灰白色、正常で健康な便と体調の変化を解説

便は自分の腸内環境がどのような状態になっているかを知らせるバロメーターです。腸の中の様子を自分で直接確認することはできませんが、便を観察すると、食習慣や生活習慣を振り返ることができます。

とくに便の色が異常だった場合、何らかの病気のサインかもしれません。

本記事では、消化器専門医監修のもと、便の色でみる腸内環境、正常で健康な便と体調の変化を解説しています。

正常で健康な便・排便力とは

正常で健康な便は、約80%が水分で、残りの約20%が食物繊維などの食べかすや、腸内細菌・消化液・細胞や粘膜などでできています。 腸内環境が整っていて便秘にも無縁、いつも気持ちよく排便できているという方は、概ねこのようや成分で構成されていると考えます。

バナナのような形状で、固形にまとまっていながらも、ほどよい柔らかさを保っているのが健康便の特徴です。このような便であれば、便意がきたらいきむことなす重量のままにスルッとでることも。排便にかかる時間も1分程度です。

便の状態や色を観察することで、腸内環境の良し悪しを知る手立てとなります。あまり神経質になる必要はありませんが、「いつもと何か違う」というサインを見落とさない程度に、便の様子を確認する習慣を身につけましょう。

便をチェックするときのポイント

便の形状や色、においは、食べたものやその人の体質によっても変化します。

個人差はありますが、以下のポイントをチェックしながら、ご自身の腸内環境が良好かどうかみてみましょう。

  • いきまずに楽に排便ができたか

便意がきたら、いきむことなく無理なくスルッとでるのが理想です。

  • どのくらいの量がでたか

量は1日150〜200g程度が目安、バナナ状の便が2本程度が合格点です。

  • どんな色をしていたか

健康的な便の色は、黄色〜黄褐色(黄土色・茶色)です。

  • どんなにおいをしていたか

便なので多少はにおいますが、キツくなければOKです。

便の状態、便の色をセルフチェック

便の状態、便の色をセルフチェック

腸内環境に問題ありの便の特徴

  • ウサギの糞のような硬いコロコロ便
  • ゴツゴツと硬くて大きな塊状の便
  • ふにゃふにゃとした形のない便
  • 水分が多く、固形物のない液状便

また、

  • 水の中に沈む
  • 強くいきまないと出にくい
  • においがキツい腐敗臭
  • 色が濃い茶色や黒っぽい色

などが該当すると、腸内環境に問題ありと考えます。

腸内環境が良好で健康な便の特徴

  • バナナ状で適度な柔らかさの便(普通便)
  • 水分は少なめで、ひび割れている程度の硬めの便(やや硬い便)
  • はっきりとしたシワのある柔らかい便(柔らかい便)

また、

  • 水に浮く
  • いきまなくてもスルッと出る
  • においがキツくない酸臭
  • 色は黄色〜黄褐色(黄土色・茶色)
  • 練り歯磨き粉より少し硬め

腸内環境が良好なときは、このように便が出ます。

便の色がおかしい、いつもと違う

腸内環境が良好な方の健康的な便の色は、黄色〜黄褐色(黄土色・茶色)であると解説しました。

では、健康ではない便の色はどのようなものでしょうか。

自分の便の色がおかしいと感じる方は、以下の色に該当しないかをチェックしましょう。

上記のような便の色の場合、背景になんらかの病気が隠れているサインの可能性があります。

黒色便・赤色便(血便)の原因、隠れた病気は?

黒色便・赤色便(血便)の原因、隠れた病気は?血が混ざった便、いわゆる血便は、タール便ともよばれる「黒い便」と、赤色~暗赤色の「鮮血便」の2種に分けられます。

黒色便は、食道・胃・十二指腸まで(上部消化管)のどこかで出血が起こっている場合が多いです。一方、鮮血便は小腸の空腸から大腸、そして肛門まで(下部消化管)のどこかで出血が起こっている可能性が考えられます。

  • 胃潰瘍、十二指腸潰瘍
  • 潰瘍性大腸炎、クローン病
  • 大腸ポリープ、大腸がん
  • 痔による血便 など

胃潰瘍や十二指腸潰瘍は、みぞおちや胃の痛みが主な症状です。潰瘍性大腸炎は血便のほか、下痢や腹痛の症状がみられます。

いずれにしても、血便は早い段階で原因を見つけて、適切な治療をしなければいけません。

血便・下血がきになる方は、以下のページもご参考ください。

 

薬剤の影響による便の色

現在なんらかの病気の治療をしている方でお薬を服用している方は、薬剤の影響で便の色が変わる場合もあります。

たとえば、鉄剤を使用している方は便が黒っぽくなることがあります。また、一部の抗菌薬では赤色便になることもあります。

さらに、血液をサラサラにする抗凝固薬や、非ステロイド性抗炎症薬などの副作用によって、消化管から出血したりすることもあります。

黒色便・赤色便は注意が必要な便の色なので、早めに消化器内科を受診して検査を受けることが重要です。

白っぽい便・灰白色の原因、隠れた病気は?

便が白くなるのは、いくつかの要因が考えられます。

  1. 胆管がつまっている
    食べ物の消化を助けるために分泌される胆汁の成分(ビリルビン)が不足すると、白っぽい便になります。
    胆石や癌(がん)などで、胆管がつまることがあります。

  2. 肝臓の機能障害
    胆汁を作り出すのが肝臓です。肝臓に障害が起こり胆汁の流れが悪くなると、便が白くなることがあります。
    肝臓の働きが悪くなる主な病気には、肝炎(ウイルス性、自己免疫性、薬物性、アルコール性、脂肪性など)があげられます。

  3. ウイルス感染による胃腸炎
    ロタウイルスへの感染によって胃腸炎を起こすと、便が白っぽくなります。

  4. 消化不良による脂肪便
    油っぽいものをたくさん食べた後は、消化不良によって脂肪便という白っぽい便が出ることがあります。

  5. バリウム検査後の便
    健康診断などで、バリウムを飲んだあとに排出される便は、やや白っぽい色をしています。
    下剤を服用して数回の排便を繰り返すと、自然の便の色(茶色)に戻ります。

以上のように、脂肪便やバリウム検査後の便など、一時的に白っぽくなっている場合もあり、経過観察で問題ないケースも多いです。

しかし、脂肪便の背景にも膵臓の機能低下など別の問題が働きている可能性も少なくありません。

何れにしても、白い便が連日続くという方は、一度、消化器内科を受診して検査をしましょう。

緑色の便の原因、隠れた病気は?

便が茶色いのは、肝臓で生成される胆汁の成分、「ビリルビン」の作用によるものです。何らかの原因で胃腸が弱っていると、便中のビリルビンが増え、緑色の便が出ることがあります。

胃腸が弱る要因として多いのは、

  • 連日の暴飲暴食
  • 細菌性胃腸炎、ウイルス性胃腸炎(食中毒)

など、生活習慣の乱れや胃腸の炎症によって生じることが多いです。

緑色の便になる細菌性腸炎・ウイルス性腸炎とは

十二指腸・小腸・大腸などに炎症が起きる病気を「腸炎」といいます。その発症原因が細菌である場合を「細菌性腸炎」、ウイルスによって起こるものを「ウイルス性腸炎」といいます。

細菌性・ウイルス性腸炎はいずれも胃腸へダメージを与える病態です。主症状としては、下痢・腹痛・嘔吐があげられます。胃腸が弱った状態になると、ビリルビンが小腸で再吸収されなくなり、便の色が緑色っぽくなります。

腸炎は原因となる細菌やウイルスが体内からいなくなれば自然治癒しますので、通常は便の色も元に戻ります。軽度の場合は、軽い下痢や吐き気などで済みますが、ときに激しい下痢や嘔吐を繰り返す場合は、脱水症状に陥ることもあるため注意が必要です。さらに悪化すると、血便が見られることもあります。

便の色が緑色の状態が続き、下痢・腹痛・嘔吐の症状がみられる場合は、早めに消化器内科を受診して検査をしましょう。

便の色に関するよくあるご質問

子どものうんちの色がおかしい、いつもと違います・・・。

まずは全身の症状を確認し、かかりつけの小児科へ

子どものうんちも、大人と同様に、健康のバロメーターです。健康なうんちは、黄褐色をしています。

子どもの場合は、うんちの中に食べたものが混じっている(たとえば、トマトを食べてうんちが赤くなる、など)ことで、いつもと違って見えることもあります。また、時々、緑色のうんちが出ることもあります。

  • 便の色が白っぽいが水分はとれている
  • 黒いうんちが出る
  • 吐いたものに血が混ざっている
  • うんちに少し血が混ざっている

という場合は、一度、かかりつけ医に相談しましょう。

また、

  • 白い下痢便が出てぐったりしている
  • うんちに大量の血が混じっている
  • うんちの色がいつもと違い、繰り返し激しくなく

といった場合は、緊急受診が望ましいです。すぐに小児科を受診してください。

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こちらの記事の監修医師

鎌田 広基

鎌田内科クリニック鎌田 広基 先生

岩手県盛岡市の鎌田内科クリニック、院長の鎌田です。昭和42年1月19日、当地に父が診療所を開設し、平成5年に小生が着任して現在に至っております。その間、平成8年に老人保健施設”銀楊”の開所により、父はその施設長、小生は当院の院長に就任しました。

当クリニックがこれまでの歳月を歩むことができたのは、ひとえに、皆様のお力添えのおかげと、深く感謝しております。
地域医療の益々の発展と、皆様が健康で豊かな毎日を過ごしていただけるように、スタッフ一同、より一層精進して参ります。今後とも鎌田内科クリニックを宜しくお願い致します。

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