最終更新日:2024.02.13

尿路結石で石が出る前兆とは?男性・女性別の症状と原因、やってはいけないことを解説

尿路結石で石が出る前兆とは?男性・女性別の症状と原因、やってはいけないことを解説

この記事は尿路結石の発症を避けたい方、予防したい方に向けて書いています。

尿路結石は、体内にある尿の通り道に「石」ができて詰まる病気です。結石が詰まる場所によってさまざまな病態がありますが、中でも尿管結石は非常に強い痛みが伴います。その痛みは、あらゆる病気の中で最も激痛とされる3大激痛の1つとも称されるほどです。

本記事では、尿路結石を専門的に診察している医師に監修していただき、尿路結石によって石が出る前兆・初期症状、男性女性別の原因、やってはいけないことをわかりやすく解説しています。

尿路結石とは?わかりやすく解説

尿は私たちの体の腎臓とよばれる臓器で生成され、最終的に体外へ排出されます。その際、主に尿の通過ポイントとなるのが、腎盂(じんう)・尿管・膀胱・尿道と呼ばれる各器官で、この尿の通り道をまとめて「尿路」といいます。

尿路結石は、この尿路に結石とよばれる石が形成される疾患です。水分を控えたり、汗をたくさんかくなどで体内の水分が失われると、尿が濃くなります。その状態が続くと、尿に含まれるシュウ酸やカルシウム、尿酸が固まり、結晶化して結石ができます。なかでもシュウ酸とカルシウムが結合した「シュウ酸カルシウム結石」が多いです。

尿路結石の種類

尿路結石症は、尿の流れる経路(腎臓から尿道へ)に、この結石が生成される場所によって病態の名称が異なります。

まず、尿路の上部にあたる腎臓にできるのが

  • 腎盂(じんう)結石
  • 腎杯結石
  • サンゴ状結石

これらをまとめて「腎結石」といいます。

そしてその下の腎臓と膀胱の間の通り道である尿管に位置するのが、

  • 尿管結石

です。

この腎結石と尿管結石をまとめて「上部尿路結石」といいます。

そしてそれらの下部に位置するのが

  • 膀胱結石
  • 尿道結石

これらを「下部尿路結石」と呼びます。

とくに上部尿路結石に当たる「尿管結石」は、非常に強い痛みが伴う病気として有名です。

尿管で詰まって尿が流れず、または逆流して腎臓や尿管にかかる圧力の影響や尿管の痙攣が起こることで、痛みが発生するとされています。

尿路結石の原因

尿路結石は

  • 食生活の乱れ
  • カルシウムの不足・過剰摂取
  • 女性ホルモンの減少

が主な原因としてあげられます。

食生活の乱れ

第一に挙げられるのは食生活の乱れです。中でも「動物性脂肪中心の食生活」による影響が大きいと考えられています。

動物性脂肪は、結石の生成を促すことがわかっています。戦後の日本では、食生活の欧米化が進み、伝統的な和食から次第に動物性脂肪を過剰に摂取するような食事へと移行しました。それに伴い、上部で起こる尿路結石が急激に増加しました。

カルシウムの不足・過剰摂取

カルシウム不足の場合や、カルシウムを過剰に摂取していると、結石ができやすくなります。

腸管内にカルシウムがあると、シュウ酸と結びついてシュウ酸カルシウムの結晶を作ります。これは水に溶けにくい性質があり、体内には吸収されずに便として排泄されます。そのため、尿中に排泄されるシュウ酸は減少し、尿路結石ができにくくなります。ただし、カルシウムを過剰に摂取すると、尿中のカルシウムが増えてしまい、これもまた結石ができる要因となります。

上部尿路結石・下部尿路結石ともに、結石成分はカルシウム結石が断然多い傾向にあります。

女性ホルモンの減少

男性は40代をピークに、その前後の世代が結石を発症しやすくなっています。一方、女性は更年期を過ぎると尿路結石にかかりやすくなります。これは更年期を迎える頃に起こる、女性ホルモンの減少が要因としてあげられます。

女性ホルモンの急減な衰えによって起こる不調の中に、骨粗鬆症があります。尿路結石はこの骨粗鬆症が誘発していると考えられています。

骨粗鬆症は骨代謝(古い骨が壊され、新しい骨を生成する)が乱れる病気です。更年期をすぎて女性ホルモンが減少すると、骨が壊れるスピードに骨の形成が追いつかない状況になります。骨に含まれているカルシウムは、どんどん血中に溶け出してしまいます。

血液中のカルシウム濃度は一定に保たれ、過剰に溶けて不要となったカルシウムは尿として排出されます。これがカルシウム結石を誘発するのです。女性にとっては、この尿路結石も、更年期障害の1つといっても過言ではありません。

その他の原因

遺伝的要因や、代謝異常、細菌感染(尿路感染症)、薬剤の長期服用も、尿路結石を誘発する要因として考えられています。

尿路結石の初期症状で起こる違和感

尿路結石というと、多くの人が背中や下腹部の強烈な痛み・血尿などを連想する方が多いと思います。

しかし、実際に結石が確認された患者さんのお話を聞くと、初めて異常を感じたときの痛みは筋肉痛に似ていて、尿路結石であると気づかなかったという事例も珍しくありません。

個人差はありますが、血尿のような明らかに通常と異なる症状が出ない限りは、初期の症状は大体の場合、違和感程度にとどまります。

目で見てわかる血尿や、強い痛みを伴うケースであれば、医療機関を受診される方は多いと思います。しかし、違和感程度であれば「様子を見てみよう」と考えてしまう方は少なくありません。

そのため、受診を先延ばしにした結果、結石が大きく成長してしまい、辛く苦しい経験をされる方はたくさんいらっしゃいます。

「何か変・・・」と感じる尿トラブルがあったら、早めに受診しましょう。

尿路結石の受診の目安をセルフチェック

尿路結石の特徴的な痛み・違和感は下記の通りです。

  • 腰に痛みや違和感がある
  • 背中に痛みや違和感がある
  • 下腹部から足の付け根にかけて痛みが抜けていく感覚がある
  • 血尿が出た
  • お腹の右下(右下腹部)に痛みがある
  • お腹の左下(左下腹部)に痛みがある

これらの症状がある場合は、一度、受診してください。

尿路結石は何科を受診する?

尿路結石は泌尿器科が専門です。健診等で引っかかったという方は、泌尿器科を受診してください。

一方で、尿路結石は初期症状に乏しいため、泌尿器のトラブルと自己判断できる方はあまり多くありません。

腹部を中心に痛みや違和感を覚えたら、まずは内科を受診しましょう。

また、

  • 残尿感がある
  • 排尿痛がある
  • トイレが近い
  • 尿が濁っている
  • 尿の色がおかしい
  • 尿の出が悪くなった
  • 尿の量が極端に減った

これらのような尿トラブルがある場合は、泌尿器科や腎臓内科の受診が推奨されます。

  • 体が浮腫んでいる
  • 背中や腰に重苦しさを感じる
  • 下腹部に鈍痛を感じる

など、これらの症状が併発している場合も注意が必要です。

尿路結石で石が出る前兆・前触れ

尿路結石の代表的な症状は、突然背中から脇腹にかけて起こる激しい痛みです。

結石が腎臓内に存在する場合、無症状か、あるいは鈍痛が起こる程度です。しかし、その結石が腎臓から尿管へ移動すると、非常に強烈な痛みが発生します。これを疝(せん)痛発作といいます。

腎臓は左右の背中側に近いところにあります。そのため、左右どちらかの腰背部、そして「わき腹」に痛みが強く出る場合が多いです。

また冷や汗が出たり、嘔吐に苦しんだりする方も少なくありません。この、せん痛発作は夜間や早朝に起こることが多く、3〜4時間持続します。腎盂腎炎を併発すると、38〜40度ほどの高熱が出ることもあります。

下部尿管に結石ができると、これらの痛みに合わせて、膀胱刺激症状(頻尿や残尿感など)が起こります。結石が動いて尿管が傷ついてしまうと、血尿の症状も見え始めます。

以下の症状が現れると、尿管結石があることが疑われます。

  • 腰痛や腹痛
    → 結石が腎臓から尿管へ移動するときの痛み
  • 嘔吐
    → 痛みが強いと、反射で吐き気や嘔吐が生じる
  • 血尿
    → 結石が尿路粘膜とこすれて出血する
  • 残尿感、頻尿
    → 結石が膀胱のほうに下がってくると刺激を受ける

痛みは間隔をおいて何度も発症しますが、発作がおさまると、痛みは嘘のように消えていきます。

疝痛発作・尿管結石発作時の対応

結石への薬物治療

結石への対処として、

  1. 尿管の緊張を緩和させ、結石の動きを容易にする薬
  2. 尿量を増加させ結石が排出しやすくする薬

この2種類の薬が使用されます。尿酸結石の場合には、結石を溶かしやすくする薬もあります。

発作時の対処薬(持ち帰り薬)

尿管痙攣発作を和らげる内服薬として、ブスコパンという薬が使用されます。ブスコパンは症状が出た時に服用(頓服)します。また、ボルタレン系の座薬も有用です。疼痛中枢に作用し、症状を和らげます。

症状が出た際には、早めにこの2つの薬を併用することで、自宅でも十分に疼痛発作をコントロールできます。

尿路結石の検査診断

どのような病気もそうですが、早期発見・早期治療がとても大切です。体からのサインを見逃さないようにしましょう。

尿路結石の検査は、

  • 血液検査
  • 尿検査
  • 画像検査(レントゲン検査、超音波検査 等)

主にこれらの検査が行われます。

尿路結石の血液検査

血液の成分は腎臓の機能と密接な関係があります。腎機能障害の有無やその程度を確かめるためには、血液検査で血液の成分を調べることはとても重要です。

血液検査では尿酸値も計測します。尿酸値は高尿酸値症の有無を確認するのに有効です。高尿酸血症は、痛風の原因になるだけでなく、尿が酸性に傾くために尿酸結石ができやすくなります。

尿路結石の尿検査

結石は元々、尿の成分が固って結晶化するものです。尿検査は尿路結石の診断と再発防止には欠かせません。健康な尿は、黄色っぽく澄んでいるのが特徴です。赤みを帯びていたり、白っぽく濁っていたりする場合は、どこかに病気があることを示しています。尿は色や透明度だけでもかなりの情報を得ることができます。

尿路の画像検査

結石の初期診断では、レントゲン検査(腎尿管膀胱撮影)や超音波検査が行われます。腎尿管膀胱撮影はKUB検査ともいわれ、腎臓から尿管、膀胱までを1つの写真としてX線撮影する検査です。結石の位置、大きさ、数などを調べることができます。ただし、結石の診断率は約70%程度といわれています。

KUB検査では鑑別が困難なケースや結石の有無が確認できない場合、さらに超音波検査を行います。超音波を体の表面にあてて、体内の組織から跳ね返ってくるエコー(反射波)を画像化します。KUB検査では写らない尿酸結石やシスチン結石も確認できます。また尿の流れがどの程度滞っているか、尿管や腎臓がどのような状態になっているかも判別できるため、さまざまな病気の診断に役立ちます。超音波検査は、痛みや副作用がないという点が最大のメリットです。患者さんのお体に負担をかけません。

尿路結石の治療

尿路結石の治療は大きく2つに分けられます。1つ目は「保存的療法」、2つ目は「侵襲的療法」です。結石の大きさや種類、場所、腎機能障害の有無や尿の通過障害の有無などによって、最適な治療方法を選択してきます。

尿路結石の保存的療法

結石が尿と共に自然に排泄されるように促す(自然排石)治療です。主に石が小さく、尿の通過障害や腎機能の低下がないときに選択されます。
この保存的療法は、自然排石促進法と薬物療法に分類され、この両方を併用することもあります。

自然排石促進法

水分の多量摂取によって自然な排石を促します。患者さんの体への負担が少ないのが最大のメリットです。尿路結石の約8割の結石は、この方法で取り除くことができます。自然排石促進法は、排石されるまでに数ヶ月の時間を要することもあり、出るのを待っている間に合併症が起こってしまうリスクもあります。

薬物療法

薬物によって結石を溶かし、排泄を促す方法です。尿をアルカリ性にすると溶ける性質がある尿酸結石やシスチン結石などは、この薬物療法が適用されます。しかし、尿路結石の大半を占めるカルシウム結石には、薬物療法の効果は期待できません。

自然排石促進法を試みてもなかなか排石されずに、せん痛発作や尿路感染症、水腎症などを発症する兆候が見られるとき、また薬物を使っても十分に結石が溶けない場合は、侵襲的療法への切り替えを検討します。

尿路結石の侵襲的療法

侵襲的治療とは「侵入して襲う」こと、つまり身体に負荷がかかる治療法の総称です。結石の場合、処置や手術で結石を除去する治療です。

結石の大きさが1センチ以上の場合は、自然排石は難しいと判断します。また尿の通過障害や腎機能の低下、合併症リスクがある場合は、早めに治療する必要があります。これらの状況の際に検討されるのが侵襲的療法です。

かつて侵襲的療法は「開腹手術」が行われていましたが、体や腎臓、尿管などを傷つけるリスクがありました。その後、飛躍的な進歩を遂げて、開腹しなくても除去できるような手術方法が行えるようになりました。いまではそれが主流となり、患者さんの体のダメージを最小限に抑えられるようになりました。

侵襲的療法には、主に2つの方法があります。

1つ目は、内視鏡を挿入して超音波やレーザーで結石を砕いて排出させる方法です。(TUL:経尿道的結石破砕術、PNL:経皮的結石破砕術)
2つ目は、体の外から衝撃波をあてて結石を砕いて排出させる方法です。(ESWL:体外衝撃波腎・尿管結石破砕術)

また、これらを組み合わせて行う手術もあります。

尿路結石に関するよくあるご質問

尿路結石ができやすい人は?

メタボの男性、閉経後の女性が尿路結石ができやすいとされています。

肥満・高血圧・糖尿病・脂質異常症など、いわゆるメタボリックシンドロームのある方は、尿路結石の発症率が高いことがわかっています。とくに、女性よりも男性の方が尿路結石ができやすいです。

一方で、女性の中でも閉経を迎えた方は、尿路結石の発症率は男性と同様になるとされています。もともと閉経前の女性は、女性ホルモンのはたらきによって、骨からカルシウムが溶け出しにくく、それが尿路結石ができにくいことに関係しています。しかし、閉経とともに女性ホルモンが低下すると、閉経前よりも発症リスクは高まります。

そのほかにも、遺伝も関係していると考えられているため、家族で尿路結石を経験された方がいる場合は、積極的に予防対策を実践することが推奨されます。

尿路結石ができやすい食事はなんですか?

脂肪分の高い食事に注意しましょう。

ショウ酸の多くは、腸でカルシウムと統合し、便として体外へと排出されます。しかし、脂肪を摂りすぎると、腸内で脂肪の中の脂肪酸がカルシウムと統合してしまい、カルシウムと統合すべきシュウ酸の比重が多くなってしまいます。結果、統合できずに余分となったシュウ酸は体内に取り込まれ、尿中に排出されて、結石になります。

尿路結石を予防するために効果的な食事はありますか?

シュウ酸を含む食品を、カルシウムを含む食品と一緒に摂取することをオススメします。

結石のもととなるシュウ酸は、コーヒー・紅茶などの飲み物、ほうれん草・タケノコ・大根などの野菜に含まれています。ショウ酸はカルシウムによって腸内で統合して便として排出されるため、一緒に摂ると予防に役立ちます。

たとえば、カルシウムを含む飲み物としては牛乳があります。コーヒー・紅茶とブレンドして飲むと効果が期待できます。カツオ節やちりめんじゃこなどの海産物にはカルシウムが豊富に含まれており、野菜と合わせて摂りやすい食品のひとつです。

また、マグネシウムが豊富な果物や海藻もおすすめです。マグネシウムにはシュウ酸を体外へ排出するはたらきがあります。

腎結石はどのようにして見つかりますか?

自覚症状がないことも多く、人間ドック等で偶然見つかることもあります。

人間ドックなどで画像検査を受けたときに、結石が偶然見つかることが多いです。結石が腎臓内にあったり、腎臓が腫れていないときは、自覚症状が現れないことが多いため、定期的に検査することも有効です。健康診断で引っかかった方は必ず再検査をしましょう。

自然排石を促す方法はありますか?

多量の水分を摂り、尿量を増やし、運動をすることをお勧めします。

結石の大きさが5㎜以下であれば、尿と一緒に流れ出す(自然排石)ことができます。自然排石を促すためには、水分を十分に摂取して(1日2L以上)、結石が出やすいようにし、軽めの運動(歩行やジョギングなど)を行うと効果的です。結石が10㎜以上となると、自然排石はかなりむずかしくなります。

この記事をシェアする

こちらの記事の監修医師

石岡 伸規

たかぎファミリークリニック石岡 伸規 先生

秋田県横田市にある「たかぎファミリークリニック」、院長の石岡です。当院は生活習慣病など予防医学を中心とした内科診療や、日常生活への影響が大きい頻尿や失禁など泌尿器科診療、人工透析内科を専門としております。専門科目以外も幅広く対応いたしますので気軽にご相談いただければと思います。

お子様からご高齢の皆様まで地域の皆様が健やかな生活を送ることができるように、地元に密着した『かかりつけ医』を目指していきます。日々の身体的負担が大きな透析患者様にも、なるべく快適に透析を受けていただけるよう透析室の環境を整えております。患者様の生活に安心、安らぎを与えられるようスタッフと共に努めてまいります。

監修医師の詳細はこちら

関連記事のご紹介

© ヨクミテ|医師監修の医療メディア, Inc. All Rights Reserved.