人によって大きく異なりますが、生活習慣の改善を継続した場合、早ければ2〜4週間程度で変化を感じるケースもあります。
ただし睡眠時無呼吸症候群など器質的な原因がある場合は、治療なしでの自然改善は難しいため専門医への相談が必要です。
「毎日7〜8時間は寝ているはずなのに、朝起きたときに体が重い。日中もずっとだるくて、疲れが取れた感じがしない。」
そんな状態が続いているとしたら、それは睡眠時間の問題ではなく、睡眠の「質」の問題かもしれません。このような状態を臨床的に熟眠障害と呼ぶことがあります。
熟眠障害は、寝つけない入眠障害や夜中に目が覚める中途覚醒とは異なり、「眠れてはいるのに休めていない」という点が特徴です。自覚しにくいため放置されやすく、慢性的な疲労やパフォーマンス低下につながるケースも少なくありません。
この記事では医師監修のもと、熟眠障害の原因と、今日から取り組める改善策を解説します。セルフケアを試しても改善しない場合や、専門医への相談を検討している方は、まずオンライン診療の選択肢も確認してみてください。
目次
熟眠障害とは、睡眠時間は確保できているにもかかわらず、眠りが浅く「ぐっすり眠れた」という感覚が得られない状態を指します。不眠症の中でも「寝ているのに休んだ感じがしない」タイプを指して、臨床的に熟眠障害と呼ぶことがあります。正式な病名や国際診断基準上の独立した診断名ではなく、不眠症の症状の一つとして扱われています。
睡眠には浅い眠り(レム睡眠)と深い眠り(ノンレム睡眠)のサイクルがあり、このサイクルが正常に繰り返されることで心身の回復が行われます。熟眠障害ではこのサイクルが乱れ、深い睡眠が十分に得られていない状態が続きます。
以下は自己チェックの目安です。医療機関での診断基準ではありませんが、複数あてはまる場合は専門医への相談を検討してください。
これらの状態が1か月以上続いている場合は、一度専門医に相談することをおすすめします。
不眠症には大きく3つのタイプがあります。
寝つくまでに30分〜1時間以上かかる状態が入眠障害です。寝つきはよいが夜中に何度も目が覚めてしまう状態が中途覚醒です。そして、寝つきも途中覚醒も問題ないのに眠りが浅く疲れが取れない状態が熟眠障害です。
自分がどのタイプか確認したい方は、それぞれの解説記事も参考にしてください。
→ 寝付けない・入眠障害の原因と対策はこちら
→ 夜中に目が覚める・中途覚醒の原因と対策はこちら
複数のタイプが重なっている場合も多く、その場合は専門医への相談を検討することをおすすめします。
熟眠障害には複数の原因が考えられます。自分に当てはまる原因を把握することが、改善の第一歩です。
熟眠障害の原因として見落とされがちな原因の一つが、睡眠時無呼吸症候群(SAS)です。睡眠中に気道が塞がり、呼吸が止まったり浅くなったりを繰り返す状態で、本人は気づかないまま睡眠の質が著しく低下します。
以下のような症状に心あたりがある場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。
睡眠時無呼吸症候群はセルフケアでの改善が難しく、専門的な検査と治療が必要です。気になる方はまず専門医への相談を検討してください。
仕事や人間関係のストレスが続くと、交感神経が優位な状態が持続し、睡眠中も脳や体が完全にリラックスできなくなります。その結果、深いノンレム睡眠が減少し、眠りが浅くなりやすいとされています。
「頭では眠ろうとしているのに体が緊張している」「ベッドに入っても考え事が止まらない」という場合は、自律神経の乱れが関係している可能性があります。
ストレスが原因の場合、生活習慣の改善と並行して、根本的なストレス源への対処も重要です。セルフケアを続けても改善しない場合は、専門家への相談も選択肢に入れてください。
「お酒を飲むとよく眠れる」と感じている方は多いですが、アルコールは睡眠の質を下げる原因になります。アルコールには入眠を促進する作用がある一方で、睡眠後半のレム睡眠を抑制し、深い睡眠を妨げます。また利尿作用により夜中に目が覚めやすくなる点も問題です。
カフェインは摂取後4〜6時間以上、体内に残ります。午後2時以降のコーヒー・緑茶・エナジードリンクは、就寝時間になっても覚醒作用が残っている可能性があります。これらはあくまで一般的な目安であり、個人差があります。
在宅勤務の普及や夜型の生活習慣により、体内時計(概日リズム)が乱れているケースが増えています。平日と休日で起床時間が2時間以上ずれる「社会的時差ぼけ」の状態になると、睡眠の質が低下しやすくなるとされています。
休日に長時間寝だめをするとさらに体内時計がずれ、翌週の平日に影響します。一般的には規則正しい起床時間を維持することが、概日リズムを整える効果的な方法とされています。
加齢とともに深い睡眠(ノンレム睡眠)の割合が減少し、浅い睡眠が増える傾向があることが知られています。40代以降では「若い頃と同じ時間寝ても疲れが取れない」と感じやすくなるのはこのためです。
加齢による変化は自然な現象ですが、生活習慣の改善によって睡眠の質を維持・向上させることは可能です。
起床後なるべく早い時間に光を浴びることで、体内時計がリセットされやすくなります。一般的には、その14〜16時間後に自然な眠気が訪れるとされており、規則正しい睡眠リズムの形成につながります。天気のよい日は窓際に立つだけでも効果的ですが、できれば屋外に15〜30分程度出ることが理想です。曇りの日でも屋外の光は室内照明より強い場合がほとんどです。
定期的な有酸素運動は深いノンレム睡眠の割合を増やす可能性があるとされています。ウォーキング・軽いジョギング・水泳など、週3〜4回、30分程度の運動が目安として推奨されています。ただし就寝2〜3時間前の激しい運動は交感神経を刺激するため、夕方までに終えることが一般的に望ましいとされています。
食後は消化のために内臓が活発に働くため、就寝直前の食事は睡眠の質を下げる可能性があります。目安として、夕食は就寝の3時間前までに済ませることが一般的に推奨されています。夜遅い帰宅が避けられない場合は、夕方に軽食を取り帰宅後の食事量を減らすという方法も選択肢の一つです。
深部体温が下がるタイミングで自然な眠気が訪れます。入浴によって一時的に体温を上げ、その後の体温低下を利用して入眠しやすくするためには、就寝90分前の入浴が効果的とされています。シャワーより湯船につかる方が体温上昇の効果が高く、40度前後のお湯に15分程度が一般的な目安です。
眠りが浅いと感じているときほど、長時間ベッドにいることが逆効果になる場合があります。実際に眠れている時間よりも長くベッドにいると、浅い睡眠の割合が増えることがあります。就寝時間を少し遅らせ、起床時間を一定に保つ「睡眠制限」の考え方は、認知行動療法(CBT-I)でも活用される方法です。
ただし自己判断で極端に行うと体調を崩す場合もあります。症状が強い場合や試してみても改善しない場合は、専門医や専門家の指導のもとで行うことが望ましいです。
カフェインは午後2時以降は摂取しないことを一つの目安にしてください。アルコールは就寝の3時間前以降は避けることが一般的に推奨されています。「お酒がないと眠れない」という状態は、アルコール依存の初期サインである場合もあるため注意が必要です。
睡眠衛生全般についての詳しい解説は、こちらもご覧ください。
睡眠環境の見直しは、熟眠障害の改善に役立つ場合があります。特に枕とマットレスは、睡眠中の体圧分散・寝返りのしやすさ・体温調節に影響するため、自分の体型や寝姿勢に合ったものを選ぶことが一つの選択肢です。
枕は頭から首にかけてのカーブを自然に保てる高さが基準です。マットレスは体が沈み込みすぎず、かつ硬すぎない適度な反発力が睡眠の質向上に寄与する可能性があります。素材や価格帯ごとの詳しい比較は、専用の比較記事をご覧ください。
睡眠サポートを目的としたサプリメントの中で、研究報告が比較的蓄積されているものとしてグリシンとGABAがあります。ただしいずれも小規模な試験が中心でエビデンスレベルは限定的であり、効果には個人差が大きい点はご理解ください。
グリシンはアミノ酸の一種で、末梢の血流を促進することで深部体温を下げ、深い睡眠への移行を補助的にサポートする可能性が一部の研究で示されています。GABAは神経伝達物質で、リラックス効果と睡眠の質への関与が報告されています。テアニンも緑茶由来のアミノ酸として、就寝前の緊張緩和に使われることがあります。
グリシンについては就寝30分前に3g程度を摂取する方法が一部の試験で用いられていますが、用量は製品ごとの表示に従って使用してください。持病がある方や薬を服用中の方は、使用前に医師または薬剤師に相談してください。
ここで紹介しているグッズ・サプリはいずれも医薬品ではなく、睡眠の質を補助的にサポートすることを目的とした製品です。疾患の治療や診断を代替するものではありません。効果には個人差があり、症状が重い場合や長期間改善しない場合は、セルフケアに頼りすぎず専門医への相談を検討してください。
以下の症状が複数あてはまる場合は、睡眠時無呼吸症候群の可能性があります。セルフケアでの改善は難しいため、早めに専門医へ相談することをおすすめします。
生活習慣の改善を2週間続けても熟眠感が改善しない場合は、セルフケアだけでは対処が難しい原因が隠れている可能性があります。睡眠専門外来や内科への相談を検討してください。通院が難しい場合は、オンライン診療という選択肢もあります。ただしオンライン診療は初期対応が中心となるケースが多く、症状によっては対面での診察を勧められる場合もあります。受診先の選択に迷う場合はまずかかりつけ医に相談してください。
熟眠障害に加えて以下のような症状がある場合は、うつ病や不安障害が背景にある可能性があります。
このような場合は精神科または心療内科を早めに受診してください。一人で抱え込まず、まずは話を聞いてもらうことが大切です。重度の抑うつや自殺念慮がある場合は対面での診察が望ましいため、オンライン診療だけで完結しようとせずかかりつけ医や救急窓口にも相談してください。
人によって大きく異なりますが、生活習慣の改善を継続した場合、早ければ2〜4週間程度で変化を感じるケースもあります。
ただし睡眠時無呼吸症候群など器質的な原因がある場合は、治療なしでの自然改善は難しいため専門医への相談が必要です。
市販の睡眠改善薬(ジフェンヒドラミン系)は一時的な寝つきの改善を目的としたもので、睡眠の質そのものを改善する作用は限定的です。
連用による耐性もあるため、継続使用は推奨されていません。熟眠感の改善には生活習慣の見直しが優先されます。
一部の研究でグリシンが深部体温の低下を通じて睡眠の質を補助的にサポートする可能性が示されています。
ただしエビデンスレベルは限定的であり、効果には個人差が大きい点をご理解ください。医薬品ではないため治療目的での使用には適しておらず、あくまで補助的な手段として捉えることが重要です。持病がある方や薬を服用中の方は使用前に医師または薬剤師にご相談ください。
いびきの有無・日中の強い眠気・起床時の頭痛などが睡眠時無呼吸症候群のサインです。
自分では気づきにくいため、家族やパートナーに就寝中の様子を確認してもらうか、医療機関での睡眠検査を受けることが確実な判断方法です。
はい、逆効果です。アルコールには入眠を速める作用がありますが、睡眠後半のレム睡眠を抑制し、深い睡眠を妨げます。
また利尿作用で夜中に目が覚めやすくなる点も熟眠感を下げる原因です。「お酒がないと眠れない」という状態が続く場合は、依存の観点からも医師への相談を検討してください。
治療できます。まずは内科または睡眠外来への相談が一般的です。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は呼吸器内科や耳鼻咽喉科、うつ病・不安障害が背景にある場合は精神科・心療内科が適しています。
なります。スマートフォンの使用による光刺激・夜型の生活習慣・学業ストレスなどが原因として増えています。
成長に必要な深い睡眠が妨げられると発育や学習にも影響するため、早めの対処が重要です。
慢性的な疲労・集中力の低下・免疫機能の低下に加え、長期化すると高血圧・糖尿病・うつ病などのリスクが上昇する可能性が報告されています。
「たかが眠りが浅いだけ」と放置せず、改善に取り組むことが重要です。
改善するケースがあります。特に体圧分散が不十分な寝具を使っている場合、寝返りの妨げや身体的な不快感が睡眠の質を下げている可能性があります。
ただし寝具の変更だけで根本的な改善が見込めるかは原因次第であり、あくまで補助的な手段の一つです。
できます。初診からオンラインで対応しているクリニックも増えており、通院が難しい方でも自宅から睡眠専門医や内科医に相談することが可能です。
ただしオンライン診療は初期対応が中心となるケースが多く、症状によっては対面での診察を勧められる場合もあります。対応しているクリニックの一覧と特徴は、こちらで確認できます。→ 対応クリニックの一覧はこちら
熟眠障害の改善には、まず自分に当てはまる原因を特定することが重要です。
睡眠時無呼吸症候群が疑われる場合は専門医への相談が優先です。ストレス・生活習慣・概日リズムの乱れが原因の場合は、この記事で紹介した6つの生活習慣の改善を2週間継続してみてください。寝具・サプリの見直しは、生活習慣の改善と並行して取り組む補助的な手段として活用してください。
2週間セルフケアを続けても改善しない場合や、専門医への相談を検討している場合は、オンライン診療という選択肢もあります。ただしオンライン診療は初期対応が中心となるケースが多いため、重度の症状がある場合は対面診察も検討してください。複数のクリニックの特徴・料金・対応症状を比較した上で、自分に合った相談先を見つけてください。

大通公園メンズクリニック西澤 康平 先生
はじめまして「大通公園メンズクリニック」の院長、西澤康平です。
全国のメンズクリニック院長として長年培った経験とノウハウを元とし、これまでにないメンズクリニックを作りたいという思いから、この度当院を開院することとなりました。
当院は、薬剤の効果や服用上の注意点については勿論のこと、費用面についてもしっかりとご説明をして、全ての患者様に対して不安なく受診していただける「わかりやすさ」をモットーとしたクリニックです。
また、プライバシー保護や、土日、祝日、平日夜間も診察を受付けることで、いつでも立ち寄っていただける、患者様の立場に立った「利用しやすさ」にも力を入れています。
アクセスは地下鉄大通駅徒歩1分、地下歩行空間直結(26番出口直結)となっておりますので雨や雪の日も安心して通って頂けます。
みなさまのご来院を心よりお待ち申し上げております。
© ヨクミテ|医師監修の医療メディア, Inc. All Rights Reserved.