最終更新日:2023.11.02 | 投稿日:2023.07.12

五十肩とは?初期症状と肩が痛い原因・治療法を解説

五十肩とは?初期症状と肩が痛い原因・治療法を解説

五十肩とは、肩関節の動きが悪くなる状態(可動域制限)と痛みが現れる疾患です。名前の通り、50代を中心とする中高年以降の方に発症が多く、肩関節周辺にある組織の「老化」によって発症すると考えられています。

五十肩には、急性期・慢性期・回復期の3つの病期があり、経過によって病態や症状が変化します。

本記事では、五十肩の診療をしている医師に監修していただき、初期症状と原因、治療法を解説しています。

五十肩とは?

五十肩(50歳肩)は「肩関節周囲炎」とよばれる疾患で、肩関節の痛みと肩関節の可動域制限(動きが制限される)を主な主症状とします。一般的に中年期(特に50代)によく見られることから五十肩とよばれていますが、50代以上またはそれ以下の年代でも発生することがあります。

肩関節には滑液が入った袋(関節包)があり、この部分に炎症が起こることで痛みがあらわれます。その炎症によって関節包が硬くなると、やがて肩を動かしにくくなります。

五十肩は進行性の病状であり、

  • 急性期
  • 慢性期
  • 回復期

この3つの病期に分けられます。

肩周辺に痛みを感じる疾患には、そのほかにも

  • 上腕二頭筋長頭腱炎
  • 腱板断裂
  • 石灰沈着性腱板炎

などがあり、それらの疾患との鑑別が必要です。

五十肩の原因

外傷などの明らかな原因がなく肩関節に炎症が起こる五十肩(肩関節周囲炎)は、肩関節周辺の組織が老化することで発症するとされています。
そのほか、
  • 糖尿病
  • パーキンソン病

などの病気も、五十肩発症の増悪要因と考えられています。

五十肩の初期症状と症状経過

五十肩の初期症状として一般的なものは、

  • 肩の痛み
  • 肩の動きの制限

この2つです。病期ごとに症状の経過を解説します。

強い痛み – 急性期

痛みがもっとも強く現れる急性期は、夜寝ている間でも激痛が起こり、痛みによって目を覚ましてしまう方も少なくありません。この段階では、まだ関節は動く状態なのですが、痛みが強いため動かそうとせず、実質的に可動域は制限された状況になります。

病状が進行すると、休息時でも痛みが感じられるようになります。

肩が動かしにくい – 慢性期

痛みは徐々に軽減するものの、急性期に起こる激痛によって肩関節をなるべく動かさない状況が続いたことで、関節が硬くなり動きが制限されます。肩を上げたり、後ろに回したりすることが困難になるため、日常生活に支障をきたしてしまう方も少なくありません。

症状の改善 – 回復期

肩関節の可動域は広がり、肩を動かしても痛みは感じないようになります。

五十肩の検査診断

五十肩の診断は、主に患者の病歴の取り、物理的な検査により行われます。医師は肩の動きを確認し、痛みや制限があるかどうかを評価します。さらに、他の病状(例えば腱炎や回旋筋腱板損傷)を排除するために、X線やMRIなどの画像診断が行われることもあります。

五十肩の治療

五十肩の治療目的は痛みの軽減と肩の機能の改善です。治療法は以下のようなものがあります。

  1. 物理療法:筋力を向上させ、肩の可動域を広げるための運動が推奨されます。
  2. 薬物療法:非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)やステロイド注射が痛みと炎症を緩和するために用いられることがあります。
  3. 外科手術:重度のケースや他の治療法に反応しない場合、関節鏡視下手術や開放手術が検討されることがあります。

五十肩は自然に改善する傾向がありますが、数か月から数年かかることがあります。

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こちらの記事の監修医師

佐藤 諒

こごた整形外科クリニック佐藤 諒 先生

宮城県遠田郡美里町「こごた整形外科クリニック」、院長の佐藤 諒 です。

私は開業医であった祖父母の姿をみて育ちました。学生の頃からスポーツに励み、ケガをしては地域の整形外科へお世話になっておりました。私の地元には開業医が少なかったこともあり、もっと地域の方々が気軽に来院できるクリニックがあったら…と感じることもありました。

それらの経験が重なり、いつしか医師の道へ。そして、整形外科開業の道を目指すようになりました。

子供からお年寄りまで幅広い年齢の方が「何かあったらすぐに頼れる」クリニック。そんな安心した環境を追求するべく、スタッフ一同、医療業務に励んでまいります。各世代に合わせた幅広いケガや疾患に対する診療を実現し、総合的な医療サービスを提供できるようにいたします。

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