最終更新日:2024.01.10

突発性発疹とは?原因と症状、治療と対処法を解説

突発性発疹とは?原因と症状、治療と対処法を解説

赤ちゃんは生後6ヶ月ごろを迎えると、免疫力がもっとも低い時期になります。これは母親の体内にいるときに、へその緒からもらっていた免疫力(抗体)が、次第に減っていくためです。この免疫力の低下によって、風邪などのウイルス性の感染症にかかりやすくなります。

この時期に多く見られる感染症が、突発性発疹とよばれる皮膚疾患です。ほとんどの人が子ども時代にこの病気を経験します。

本記事では、突発性発疹の診察をしている医師に監修していただき、症状をはじめ、原因や治療法、注意したい合併症状を解説します。

突発性発疹とは

突発性発疹とは、急に高熱が出て、熱が下がるとともに全身に発疹がでる病気です。ウイルスへの感染が原因で起こり、生後6ヶ月〜3歳くらいまでに多くみられます。   突発性発疹は季節に関係なく発生する可能性があります。ウイルスに感染してから10日前後の潜伏期を経て発症するため、発熱だけでは判断がつきません。またウイルスに感染しても、そのうちに20~40%程度は症状が出ないままであるといわれています。   子どもが生後初めて病気にかかるのは、この突発性発疹であることが多いです。親御さんは、初めて病気にかかったお子さんの姿を目の当たりにして、心配になることもあるでしょう。 まずは突発性発疹についてしっかり理解しておき、対処法を把握しておくことが大切です。そうすると、いざ発症した際にも、冷静に対応できるようになります。

突発性発疹の原因

赤ちゃんは母親からもらった免疫によってウイルス性の感染症から守られていますが、生後6ヶ月を過ぎた頃から免疫力が低下していきます。この時期にウイルスに感染し、突発性発疹を引き起こすケースがほとんどだと考えられています。 突発性発疹の原因となる主なウイルスは、ヒトヘルペスウイルス6型(HHV-6)とヒトヘルペスウイルス7型(HHV-7)の2つです。 一度感染すると免疫はできるのですが、まれに2つのウイルスにそれぞれ感染して、突発性発疹を二度発症することもあります。 さらにヒトヘルペスウイルス以外にも発疹の症状が現れるウイルスが存在するため、まれに2回以上、突発性発疹にかかることもあります。 感染後もウイルスは体内に存在し続けることから、免疫力低下や体調不良のタイミングで体内のウイルスがふたたび働き出し、再度発症するケースも少なくありません。

突発性発疹の感染経路

突発性発疹はほとんどの人が経験する病気であることから、唾液など体内にウイルスが存在しています。 ゆえに赤ちゃんが突発性発疹を発症した場合は、家族などから移ることがきっかけとも考えられていますが、はっきりとした感染経路はいまのところわかっていません。

突発性発疹の症状

突発性発疹の典型的な症状は、発熱と発疹です。 ウイルス感染後、10日程度の潜伏期間があり、突然38~40℃の高熱が3~4日程度続きます。 やがて熱が下がり、平熱近くに戻ってからしばらくすると、あせものような細かな赤い発疹や、プツプツとした少し盛り上がった発疹が現れます。 発疹部分が赤くなることから、紅色丘疹(こうしょくきゅうしん)とも呼ばれています。   発疹は胸やお腹、背中などに現れた後、全身に広がります。   発疹が消えるまで2〜4日程度かかりますが、自然と色が薄くなって消え、やがて目立たなくなります。痕が残ることもほとんどありませんので、心配はいりません。 発熱時には食欲がなくなったり、下痢をしたりする場合もありますが、比較的、元気な子どもが多いようです。 一方、熱が下がって発疹が出てから不機嫌になることもあります。発疹が消えるとともに、機嫌も良くなっていきます。

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こちらの記事の監修医師

西島 浅香

西島こどもクリニック西島 浅香 先生

当院では、お子様の病気や健康についての相談、健康診断や予防接種についての相談をはじめ、併設の「西島産婦人科医院」と協力・連携しながら、子育て中のご両親の支援も積極的に行っております。

お子さん、ご両親との係わりの中から健康な家庭が築けますよう願いつつ診療しております。

生活環境や食物等の変化に伴い増加してきた、お子様のアレルギー疾患(気管支喘息、食物アレルギー、アトピー性皮膚炎、アレルギー性鼻炎など)にも対応しております。

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地域における”こどもの心相談医”として、ぜひお気軽にご相談ください。

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