最終更新日:2023.02.27

脳梗塞とは?前兆となる初期症状と原因、生存率を解説

脳梗塞とは?前兆となる初期症状と原因、生存率を解説

※ この記事は準備中です。

脳はあらゆる私たちの体の身体機能や言語機能を司どるとても重要な臓器です。その脳の血管が障害を受けてしまうことで起こる病気の総称を脳卒中といいます。

脳に障害が起こってしまうと、それらの機能に支障をきたすだけでなく、最悪の場合には死に至ることもあります。

脳卒中の中でも死亡率が高いとされる脳梗塞(のうこうそく)は、脳の血管が詰まってしまう病気です。

本記事では、脳卒中の診療を行う医師に監修していただき、脳梗塞の前兆となる初期症状と原因、生存率を解説しています。

脳梗塞は脳内の血管が詰まることによって血液が滞ってしまい、脳細胞が壊死してしまう病気です。

高齢化社会の昨今、高齢者を中心に発症する方が増えている疾患の一つです。

脳梗塞は、脳の動脈が閉塞し、血液が流れなくなることで脳が壊死する病気です。症状としては、片方の手足の麻痺やしびれ、言葉が出てこない、視野が欠ける、めまい、意識障害などがあり、多くの方が後遺症を残すことがあります。脳卒中の原因疾患で最も多いため、高齢者の介護負担を社会全体で支援する介護保険制度において、要介護認定を受けた方の20%以上が後遺症に苦しんでいます。脳卒中は国内死因の第4位であり、他の臓器の疾患よりも日常生活に支障をきたしやすく、介護の必要性が高いことが特徴です。

健康寿命を延ばして元気な老後を送るためには、脳梗塞にならないように注意すること、発症を未然に防ぐことがとても重要です。

脳梗塞の症状

脳梗塞の症状は、血管が詰まった部位や大きさ、程度などによって変わります。部位別の主な症状は以下の通りです。 ・内頸動脈 半身の運動障害・感覚障害、顔面神経マヒ、言語障害、脱力、失語、片目の一時的な視力低下 ・中大脳動脈 半身の運動障害・感覚障害、意識障害、失語、失読、失書、失認、失行、同名半盲(両目の同じ側が見えなくなる症状) ・前大脳動脈 半身の運動障害(特に足)、半身の感覚低下、意識障害、記憶障害、けいれん、尿失禁 ・後大脳動脈 半盲、失認、半身の感覚性マヒ、吐き気、めまい ・椎骨動脈脳底動脈 強いめまい、吐き気、意識障害、複視、顔面神経マヒ、感覚障害、構音障害、嚥下障害、両側手足の運動障害、呼吸停止

脳梗塞の前兆となる初期症状

脳梗塞を放っておくとどうなる?

脳梗塞は突然発症するというイメージがありますが、実は脳梗塞になった人の約3割が、前兆といえる発作(TIA/一過性脳虚血発作)を経験しています。 TIAには「急に手の力が抜ける」「片方の足がしびれたり、感覚が鈍くなったりする」「めまいがしてまっすぐ歩けなくなる」「立ち上がれない、歩けない」「ろれつが回らない」「人の話が理解できない」「文字がうまく書けない」「物が二重に見える」「片目の視力が突然落ちる」といった症状があり、ほとんどの場合は長くても数十分でおさまります。 しかし、おさまったからといって放置せず、すぐに受診して治療を受けることが、本格的な脳梗塞の発症を抑えることにつながります。

脳梗塞が起きた際の行動

脳梗塞の原因と種類

脳梗塞は「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」「心原性脳塞栓症(心原性脳梗塞)」に分けられ、それぞれ原因が異なります。脳梗塞は「アテローム血栓性脳梗塞」、「ラクナ梗塞」、「心原性脳塞栓症(心原性脳梗塞)」の3つに分かれています。 日本では、かつて高血圧症の方が多かったこともあり、高血圧などが原因で発症する「ラクナ梗塞」が脳梗塞の半分近くを占めていました。 しかし、近年の食生活の欧米化や高齢化の影響で、コレステロールの固まり(アテローム)ができたことから発症する「アテローム血栓性脳梗塞」や、心臓にできた血栓が発症のきっかけとなる「心原性脳塞栓症」も増加しているといわれています。 脳梗塞は、どこの血管が詰まったのか、どの程度詰まっているのか、詰まりの大きさはどのくらいなのか、どんなスピードで詰まったのかによって症状が異なります。 また、突然発症することがあれば、発症前に前兆の発作が起こることもあります。前兆の発作は数分から数十分でおさまることがほとんどですが、放置せずにすぐに受診することが、その後脳梗塞が発症するリスクを大きく抑えることにつながります。

ラクナ梗塞

「ラクナ梗塞」は、脳の太い動脈から枝分かれした穿通枝動脈の動脈硬化が原因です。 穿通枝動脈は細いため、高血圧によって圧力がかかり続けると、内壁が厚く、固くなります(動脈硬化)。 動脈硬化が進むと、血管の内側がどんどん狭まり、次第に塞がってしまうのです。ラクナ梗塞は小さな梗塞であることが多いため、症状が現れない無症候性脳梗塞となる場合もあります。

アテローム血栓性梗塞

「アテローム血栓性脳梗塞」の原因には、脳の動脈にできたアテローム(血液中の余分なコレステロールなどが血管の内膜に付着してできたコブのようなもの)が何らかの原因で破裂した際、それを修復するために血小板が集まって血栓を作ることがかかわっています。 この血栓によって、血管が狭くなって詰まってしまうのです。また、頸動脈にできたアテロームが破裂したことで生まれた血栓が流れ出し、末梢血管をふさいでしまったために発症する場合もあります。

心原性脳塞栓症

「心原性脳塞栓症」は、心房細動という不整脈が原因で発症します。心房細動が起こると、規則正しく動いていた心臓の電気信号が不規則になり、心臓の収縮がうまくいかなくなります。 すると、心房内の血流が停滞して血栓ができやすくなり、血栓が脳まで飛んで詰まりを起こすことがあります。

脳梗塞の検査診断

脳梗塞を発症した場合、適切な治療をすみやかに進めていく必要があるため、検査もできるだけ早く、なおかつ正確に行うことが重要となります。 まずは体温、脈拍、呼吸数、血圧といったバイタルサインや、意識レベルを確認し、意識がない場合は救急措置として気道の確保や血圧コントロール、鎮静・鎮痛、口腔内の吸引、酸素吸入などを行います。 その上で、本当に脳梗塞なのか、その場合はどの程度のダメージを受けているのかを鑑別するためにCT検査やMRI検査を行います。 意識がある場合は本人に、意識がはっきりしない場合は付き添いの人に、発作が起こった際の状況を確認します。 発症からどの程度時間が経っているのかによって治療内容が変わるため、発作の発生時刻を正確に伝えることが求められます。 さらに、症状や持病、服用している薬の有無、喫煙や飲酒の習慣の有無などを確認し、血液検査、尿検査、心電図検査、X線検査、心臓超音波検査などを行いつつ、診断を進めていきます。 一般内科的診察として、視診や聴診、触診を行い、全身の状態を調べることも大切です。 視診では、皮膚や粘膜、爪を観察し、貧血や黄疸がないか診ていきます。聴診では、心臓の拍動と肺の呼吸音を調べますが、特に重要となるのが頸部の聴診です。頚動脈硬化が進んでいる場合、血液の流れる音に雑音が入ります。 さらに、触診で頭部や頸部の脈拍や、両手足の脈拍の差などを調べることにより、血流状態を診ていきます。眼底の血圧や動脈の状態をもとに、脳の血管の状態を推測する眼底検査が行われることもあります。 神経学的診察も、治療方針を決める上で重要です。まずは意識状態を確認し、意識がある場合は歩く、片足で立つ、会話するなどの様子をもとに運動機能、感覚機能、言語機能を調べます。意識障害が出ている場合は、呼びかける、体をつねって痛みを与える、何らかの音を聞かせるなどに対する反応をみて、重症度を診断します。

脳梗塞の治療

脳梗塞の治療は、急性期と慢性期によって変わります。急性期は発症から1〜2週間以内の症状が不安定な時期ですが、その中でも発症から6〜8時間以内は超急性期と呼ばれ、このタイミングでいかに早く血流を再開させられるかどうかが治療のポイントとなります。慢性期は発症から1ヶ月以降を指します。 超急性期のうち、発症から4時間半以内の場合はt-PAという血栓溶解薬の点滴治療が有効です。これにより、30〜40%の人がほとんど後遺症のない状態まで回復できるといわれています。 ただし、受診した医療機関に画像検査で必要な機器がそろっていることや、治療経験豊富な専門医がいることなどが前提条件であり、なおかつ重度の高血圧や糖尿病などの持病がある場合はt-PAによる治療を受けられません。そのため、発症から4時間半以内にt-PAによる治療が受けられる例はさほど多くないのが実状です。 発症後8時間以内の場合に行われるのが、血栓回収療法です。内頚動脈や中大脳動脈などに詰まった大きな血栓を除去することができ、治療後の血管の再開通率は8割近くといわれています。 急性期の治療では、新たな血栓ができないようにしたり、脳のむくみをとったり、血流をよくしたりするための薬物療法がメインです。慢性期も引き続き薬物療法が行われますが、再発防止を目的とした薬に切り替わります。

脳梗塞の生存率・余命

脳梗塞の予防と対策

脳梗塞に関するよくあるご質問

脳梗塞が起こりやすいのはどんなときですか?

脳梗塞は、血圧の変動や脱水があると起こりやすくなります。そのため、脱水になりやすく血圧が下がりやすい睡眠中や起床時、活動開始時に多く発症するといわれています。「アテローム血栓性脳梗塞」「ラクナ梗塞」は睡眠中に起こりやすく、「心原性脳塞栓症」は起床後2時間以内に起こりやすい傾向があります。 また、場所としては発汗することで水分が失われやすい浴室、睡眠によって水分が失われやすい寝室、寒い時期の気温差が激しい脱衣所や玄関が要注意です。加えて、暑さから脱水を招きやすい夏(6月から8月)にかけて起こりやすいともいわれています。 とはいえ、脳梗塞が発症するリスクは季節や場所問わず存在しています。予防のためには、日頃から水分をこまめにとるようにし、脳梗塞を引き起こす危険因子となる高血圧・糖尿病・脂質異常症の治療を欠かさないことなどが大切です。

 

脳梗塞の再発率は?

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脳梗塞の発症は何歳が多い?

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脳梗塞の復帰率は?

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脳梗塞はどれくらいで治る?

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脳梗塞の危険な状態は?

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脳梗塞に良い食べ物は何?

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脳梗塞 入院 どれくらい?

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こちらの記事の監修医師

金 正門

まさと脳神経内科クリニック金 正門 先生

令和元年5月22日に、盛岡市向中野にて「まさと脳神経内科クリニック」を開業しました、院長の金 正門(きん まさと) と申します。

私は盛岡市出身であり、盛岡市立大新小学校、盛岡市立城西中学校、岩手県立盛岡第一高校、岩手医科大学と、学生生活全てを盛岡で過ごしました。

医師になってからも岩手医科大学神経内科学講座(現:内科学講座 脳神経内科・老年科分野)に入局し、平成8年4月から平成31年3月までの23年間盛岡で大学の最先端医療に携わってきました。

今回、その盛岡にて開業出来たことは私にとって大変な喜びであります。

元号が平成から令和に改まるタイミングで、大学診療から地域診療へとそのフィールドが変わるのも何かの縁かと思っております。

信頼していただける医師として最も重要なのは、確実な診断と治療であることは言うまでもありませんが、患者さんが何でも気軽に相談できる医師であることも大切なことであると考えます。

患者さんと同じ目線で物事を捉える事が出来る様に、真摯な姿勢で皆様の健康維持の為に頑張っていきたいと思います。

患者さんに信頼されるクリニック、安心と笑顔を届けることができるクリニックを目標に、スタッフ一同努力していく所存であります。

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