最終更新日:2025.05.16 | 投稿日:2025.03.12

膵臓がんの症状・生存率は?がん検査キットおすすめ3選を解説

膵臓がんの症状・生存率は?がん検査キットおすすめ3選を解説

膵臓がんは、膵臓(すいぞう)にできる悪性腫瘍のことで、進行が早く、早期発見が難しいガンの一つです。そのため、「沈黙のガン」とも呼ばれています。

膵臓がんはガンの中でも生存率が非常に低いとされています。全体の5年生存率は10%台とされており、特にステージ4(遠隔転移)の場合、5年生存率は3%以下と非常に低いです。

近年、自宅で手軽に膵臓がんのリスクを調べられる検査キットが登場しています。ただし、これらの検査キットはあくまでリスク評価を行うものであり、診断を確定するものではありません。リスクが高いと判定された場合は、専門医療機関での精密検査を受けることが重要です。

この記事では、医師監修のもと、膵臓がんの症状と生存率を解説しています。また、膵臓がんの早期発見に役立つおすすめのガン検査キット3選を紹介しておりますので、ぜひご参考ください。

膵臓がんとは?わかりやすく解説

膵臓がんは、膵臓(すいぞう)に発生する悪性腫瘍の一種で、進行が早く、早期発見が難しいがんの一つです。そのため、「沈黙のがん」とも呼ばれています。

膵臓はお腹の奥にある細長い臓器で、食べ物の消化や血糖の調整に重要な役割を担っています。その働きは大きく二つに分かれ、一つは消化酵素を分泌する外分泌系、もう一つは血糖調節に関与するホルモン(インスリンやグルカゴンなど)を分泌する内分泌系です。それぞれの機能に関連する部位から、異なる種類のがんが発生します。

 

pancreatic

膵臓の役割

外分泌系の働き(消化を助ける)

膵臓は「膵液(すいえき)」という消化酵素を作り、小腸に送り出します。この膵液には、脂肪やタンパク質、炭水化物を分解する酵素が含まれており、食べ物の消化を助けます。

外分泌系のがんは、「すい管がん」が代表的です。膵臓がんの約90%以上を占めます。

内分泌系の働き(血糖を調整する)

膵臓には「ランゲルハンス島」という特殊な細胞の集まりがあり、ここでインスリンやグルカゴンといったホルモンを分泌します。

  • インスリン:血糖値を下げるホルモン
  • グルカゴン:血糖値を上げるホルモン

これらのホルモンがバランスよく働くことで、私たちの血糖値は正常に保たれます。

内分泌系のがんには、「神経内分泌腫瘍(NET)」などがあります。

膵臓がんの発生場所による違い

膵臓がんができる部位によって、症状や治療法が異なります。

膵頭部(すいとうぶ)のがん

膵臓の右側、小腸に近い部分にできるがんです。

  • 皮膚や白目が黄色くなる(黄疸)
  • 便の色が白っぽくなる

などの症状が特徴的です。

膵体部・膵尾部(すいたいぶ・すいびぶ)のがん

膵臓の中央〜左端にできるがんです。症状が出にくく、発見が遅れやすい傾向があります。膵臓がんは早期に自覚症状が出にくいため、定期的な検査や生活習慣の見直しがとても大切です。

膵臓がんになりやすい人

膵臓がんの発症は年齢とともに増加し、特に60歳以上の高齢者に多く見られます。また、一般的に男性の方が女性よりも発症リスクがやや高いとされていますが、その理由の一部には喫煙率や飲酒習慣の違いが関係している可能性があります。

膵臓がんの症状

膵臓がんの兆候、初期症状はある?

膵臓がんの初期症状はほとんどありません。進行してから症状が現れることが多いため、発見が遅れる傾向があります。

病態が進行して症状が現れると、以下のような特徴があります。

腹痛(背部痛を伴うことも)

  • みぞおちから背中にかけての痛み。
  • 食事に関係なく持続する。
  • 夜間や仰向けになると悪化することが多い。

食欲不振、体重減少

  • 消化酵素の分泌低下や全身の代謝異常に食欲がなくなる。
  • がん細胞が栄養を消費し、急激な体重減少を引き起こす。
  • 消化酵素の分泌が低下し、脂肪やたんぱく質の吸収障害を起こす。

黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)

  • 膵頭部にがんが発生した場合に多い。
  • 胆管が圧迫され胆汁の流れが悪くなる。
  • 皮膚や白目が黄色くなり、尿が濃くなる、便が白っぽくなる。

消化不良・食欲不振

  • 膵液の分泌が低下し、脂肪の消化吸収がうまくできない。
  • 脂肪便(油っぽい便)が出ることもある。
  • 食べてもすぐに満腹感を感じ、食欲がなくなる。

糖尿病の悪化や新規発症

  • 膵臓の機能低下が原因で糖尿病が悪化することがある。
  • これまで糖尿病ではなかった人が、急に血糖値が高くなることもある。

ただし、これらの症状は膵臓がん特有のものではなく、他の疾患でも見られることがあります。したがって、早期発見が難しいのが特徴です

膵臓がんの生存率は?

膵臓がんの生存率膵臓がんは最も5年生存率が低いがんの一つ であり、進行が速く、早期発見が難しいため、特に注意が必要です。

5年生存率が低いがん(悪性度が高い)順

  1. 膵臓がん(約9.8%)
  2. 胆嚢がん(約29.3%)
  3. 食道がん(約35%)
  4. 肝臓がん(約40.4%)
  5. 肺がん(約41.4%)

以上のように、上位4つと比べても、膵臓がんは極めて生存率が低いことがわかります。

膵臓がんの原因

膵臓がんの発症には、

  • 遺伝的な要因(家族に膵臓がんの人がいる、特定の遺伝子変異がある)
  • 生活習慣(喫煙、肥満、偏った食事)
  • 持病(糖尿病や慢性膵炎)
  • 加齢や環境要因

などが関係しています。

特に、喫煙や肥満、長年続く糖尿病、慢性膵炎がある場合は、膵臓がんのリスクが高まるため、定期的な検査を受けることが大切です。

膵臓がんは初期のうちは症状が出にくいため、早期発見が難しい病気ですが、家族に膵臓がんの人がいる方や、糖尿病が急に悪化した方は、CTやMRIなどの画像検査を定期的に受けることで、早期発見につながる可能性があります。また、禁煙を心がけることや、適度な運動、栄養バランスのとれた食事を意識することも、膵臓がんの予防に役立ちます。

膵臓がんの早期発見に!おすすめ「がん検査キット」3選

がん検査キットとは、自宅で簡単に採取した尿・血液・唾液・便などの検体を利用して、がんのリスクを評価できる検査キットのことです。病院での精密検査を受ける前のスクリーニング(一次検査)として活用されることが多く、近年、さまざまな種類のキットが登場しています。

マイシグナル・スキャン

尿がん検査「マイシグナル(MiSignal)」の特徴

マイシグナルは、尿を用いてがんのリスクを評価できる新しいスクリーニング検査です。マイクロRNAの解析を活用することで、高精度かつ早期のがんリスク評価が可能であり、尿を提出するだけの手軽さも大きな魅力です。

お電話にて無料サポートOK

がん検査キット マイシグナル(MiSignal)
検査方法 尿検査
費用 69,300円(税込)
公式HP 膵臓がんもステージ1から!尿がん検査はマイシグナル

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N-NOSE(エヌノーズ)

お手頃価格で手軽に検査 N-NOSEの特徴

N-NOSEは、尿を利用してがんの有無をスクリーニングできる世界初の線虫がん検査です。線虫の優れた嗅覚を活用することで、早期がんも高精度で検出可能とされ、血液検査よりも手軽で痛みや負担がなく、早期のがんリスクを評価できる点が大きな特徴です。

お手頃な価格で、がん検査

がん検査キット N-NOSE(エヌノーズ)
検査方法 尿検査
費用 1回検査:16,800円(税込)
定期回検査:15,800円(税込)
公式HP お手頃価格で手軽に検査 N-NOSE

chatGENE(チャットジーン)

技術と安心に裏付けされた遺伝子検査 chatGENE(チャットジーン)の特徴

chatGENE(チャットジーン)は、唾液を用いて遺伝子を解析し、がんを含む多岐にわたる健康リスクや体質の傾向を把握できる遺伝子検査キットです。さまざまな遺伝的傾向を手軽かつ高精度に把握できる遺伝子検査キットとして、多くの方に利用されています。

がん検査キット chatGENE(チャットジーン)
検査方法 唾液検査
費用 6,800円(税込)
公式HP 安心・安全、技術と実績に 基づくがん検査キット

膵臓がん関するよくある質問

膵臓がんは遺伝的要因が関係しますか?

家族歴や特定の遺伝子変異が膵臓がんのリスクを高めることが知られています。

家族歴

親や兄弟姉妹に膵臓がんを発症した人がいる場合、発症リスクが2~3倍に上昇するとされています。特に、複数の家族に膵臓がんの既往がある場合、「遺伝性膵がん」の可能性が高くなります。
遺伝性膵炎(PRSS1遺伝子変異など)を持つ人は、慢性膵炎を繰り返すことで膵臓がんのリスクが大幅に増加します。

遺伝子変異

  • BRCA1 / BRCA2遺伝子変異:乳がんや卵巣がんのリスクを高めることで知られていますが、膵臓がんのリスクも増加します。
  • p53遺伝子変異:がん抑制遺伝子の異常により、膵臓がんの発症が促される可能性があります。
  • Lynch症候群:大腸がんや子宮内膜がんのリスクが高い遺伝的疾患であり、膵臓がんとの関連も指摘されています。

膵臓がんは生活習慣によって発症・悪化しますか?

日々の生活習慣も膵臓がんの発症に影響を与えます。特に以下の要因は、膵臓に慢性的な負担をかけ、がんのリスクを高めるとされています。

喫煙

喫煙者は非喫煙者に比べて膵臓がんの発症リスクが約2倍に増加します。
タバコに含まれる有害物質が膵管の細胞にダメージを与え、がんの発生を促進します。
喫煙歴が長いほどリスクが高くなりますが、禁煙によってリスクを低下させることができます。

飲酒

過度の飲酒は膵臓がんの間接的なリスク因子とされています。
アルコールの摂取は慢性膵炎の原因となり、長期間にわたる炎症が膵臓がんの発症を引き起こす可能性があります。
1日2合以上の飲酒を継続すると、リスクが増加するという報告があります。

肥満・高脂肪食

肥満は膵臓がんのリスクを約1.5倍に増加させることが報告されています。
高脂肪食(特に加工肉や揚げ物の過剰摂取)は、膵臓に負担をかけ、慢性的な炎症を引き起こす可能性があります。
健康的な食生活(野菜や果物の摂取、適度な運動)は膵臓がんのリスクを低減する可能性があります。

糖尿病になると、膵臓がんになりやすいのでしょうか?

糖尿病と膵臓がんには密接な関係があり、双方向の影響があると考えられています。

糖尿病が膵臓がんのリスクを高める

長期間の糖尿病(特に2型糖尿病)は膵臓がんのリスクを上昇させることが分かっています。
インスリン抵抗性や高血糖が、膵臓の細胞に悪影響を及ぼし、がん化を促進する可能性があります。

新たな糖尿病の発症が膵臓がんの兆候であることも

突然糖尿病を発症した場合や、これまで安定していた血糖値が急に悪化した場合、膵臓がんが関与している可能性があるとされています。
特に50歳以上で新たに糖尿病と診断された場合は、膵臓がんのスクリーニングを検討することが推奨されるケースもあります。

慢性すい炎と膵のう胞が原因で、膵臓がんになりますか?

膵臓に慢性的な炎症や異常がある場合、膵臓がんのリスクが高まります。

慢性膵炎

長期間にわたる膵炎の炎症が、膵臓の細胞にダメージを与え、がんの発生を促す可能性があります。
アルコール性慢性膵炎や遺伝性膵炎の患者は、膵臓がんのリスクが高いとされています。

膵のう胞

一部の膵のう胞(特に「膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN)」)は、がん化するリスクがあります。
IPMNが発見された場合、経過観察や外科的切除が推奨されることがあります。

膵臓がんになりやすい環境要因とは?

特定の化学物質への曝露も膵臓がんのリスクを高める可能性があります。

例えば、石油製品や農薬、特定の金属(カドミウムなど)に長期間さらされる職業では、膵臓がんの発症率がやや高いと報告されています。ただし、これらの要因の影響は比較的少ないと考えられています。

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こちらの記事の監修医師

佐藤 俊裕

LCクリニック仙台佐藤 俊裕 先生

宮城県仙台市にある「LCクリニック仙台」の院長、佐藤 俊裕です。専門である肝臓疾患や内視鏡検査はもとより、消化器疾患にこだわらず内科一般、更に広い範囲で患者さまの要望に応えられるように、クリニックで丁寧な診断・治療を行っていきたいと考えております。疾患にこだわらずお気軽にお越しください。

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