アフターピルを服用しても、妊娠を100%防げるわけではありません。
代表的な国際試験では72時間以内の服用で一定の妊娠阻止率が報告されていますが、確実な避妊を保証するものではないとされています。服用後に次の生理が大幅に遅れる場合は、服用後3〜4週間を目安に妊娠検査薬の使用または婦人科・産婦人科への受診をお勧めします。
避妊に失敗したかもしれない、今すぐどうすればいいかわからない——
そんな状況にいる方は、まず以下を確認してください。
アフターピルは、服用が早いほど効果が高いとされています。性交後72時間以内を目安に、できるだけ早く婦人科・産婦人科またはオンライン診療にご相談ください。
2026年2月からは、条件を満たした一部の薬局でも購入できるようになっています。
本記事ではアフターピルについて、婦人科医が分かりやすく解説しています。
目次
アフターピルは、「緊急避妊薬」とも呼ばれる薬です。避妊に失敗した、または避妊手段を取らなかった性交渉の後に服用することで、妊娠が成立する可能性を低下させることを目的としています。
よく混同されますが、アフターピルは中絶薬ではありません。すでに妊娠が成立した後に服用しても、妊娠を終わらせる効果はないとされています。あくまでも「妊娠が成立する前に作用する緊急避妊の手段」です。
なお、「モーニングアフターピル」という呼び方もありますが、翌朝だけが有効なわけではありません。添付文書でも「できるだけ早く服用すること」が明記されており、性交後72時間以内(薬の種類によっては120時間以内)という時間はあくまでも上限の目安です。
アフターピルが必要になる主なケースとして、以下のような状況が挙げられます。
いずれの場合も、できるだけ早い受診・服用が推奨されています。性的被害を受けた方に向けた公費助成制度や相談窓口もありますので、記事末尾の相談窓口情報もあわせてご確認ください。
アフターピルは、あくまでも緊急時のための手段です。コンドームや低用量ピルといった通常の避妊法の代わりとして日常的に使用することは推奨されていません。
繰り返しの使用は体への負担となる可能性があるほか、性感染症(STI)の予防効果はないという点も重要です。アフターピルを必要とする状況が続く場合は、日常的な避妊方法について婦人科・産婦人科に相談することをお勧めします。
現在、日本で使用されているアフターピルには主に2種類あります。
代表的な商品名はノルレボ錠です。添付文書に基づく用法では、性交後72時間以内に1錠(1.5mg)を1回服用します。2026年2月から、このレボノルゲストレル製剤(ノルレボ)は条件を満たした薬局でも購入できるようになっています(詳細は「入手方法」の項目をご覧ください)。
代表的な商品名はジョセイなどです。添付文書に基づく用法では、性交後120時間(5日)以内に1回服用します。2026年6月時点では、UPA製剤はOTC化されておらず、医師の処方が必要です。
| 項目 | レボノルゲストレル(LNG) | ウリプリスタール(UPA) |
|---|---|---|
| 服用できる期限の目安 | 性交後72時間以内 | 性交後120時間(5日)以内 |
| 入手方法 | 薬局・病院・オンライン診療 | 病院・オンライン診療のみ |
| 費用の目安 | 自費診療(受診先にご確認ください) | 自費診療(受診先にご確認ください) |
| 保険適用 | なし | なし |
アフターピルがどのように妊娠を防ぐかについては、主に以下の2つの作用が関係しているとされています。
これらの作用機序については現在も研究が続いており、「〜とされている」「〜の可能性がある」という段階の情報を含みます。詳細については、医師または薬剤師にご相談ください。
アフターピルは、服用が早いほど妊娠阻止率が高くなるとされています。これは、排卵前のタイミングで服用することで排卵を抑制しやすくなるためと考えられています。時間が経過するほど排卵が進んでしまい、薬の効果が得られにくくなる可能性があります。添付文書でも「できるだけ早く服用すること」が推奨されています。
代表的な国際試験では、性交後24時間以内の服用で妊娠阻止率が9割前後と報告されているものもありますが、試験によって数値にはばらつきがあります。いずれの時間帯でも、服用が早いほど妊娠を防げる可能性が高くなるとされており、時間の経過とともに徐々に低下するとされています。なお、いずれの場合も100%ではありません。
妊娠の可能性が心配な場合は、服用後3〜4週間を目安に妊娠検査薬を使用するか、婦人科・産婦人科を受診することをお勧めします。
「72時間を過ぎてしまったが、まだ性交後120時間(5日)以内」という場合は、UPA製剤が選択肢になる場合があります。ただしUPA製剤は医師の処方が必要なため、すみやかに婦人科・産婦人科またはオンライン診療に相談することをお勧めします。
性交後120時間(5日)を超えてしまった場合の対応、または服用後の体の変化や妊娠確認については、別記事「アフターピルを飲んだ後に起こること」で詳しく解説しています。
2026年2月2日から、レボノルゲストレル製剤(ノルレボ)は「特定要指導医薬品」として、条件を満たした一部の薬局・ドラッグストアで購入できるようになりました。購入には以下の条件があります。
購入できる薬局は、以下の厚労省公式ページで確認できます。在庫や薬剤師の対応状況は薬局によって異なるため、事前に電話で確認することをお勧めします。
薬局購入の詳しい手順・条件・注意点については、別記事「アフターピルは薬局で買える?2026年OTC化の条件・手順・注意点」で詳しく解説しています。
婦人科・産婦人科を受診し、医師の診察のうえで処方してもらう方法です。診察では、性交渉の日時・最終月経・既往歴などについて確認されることが一般的です。当日の予約・受診が可能なクリニックも多く、院内でその場で薬を受け取れる場合もあります。副作用が心配な方や、既往歴・服用中の薬がある方は、医師に相談できる点でこの方法が適している場合があります。
スマートフォンやパソコンからオンライン診療を利用し、処方を受ける方法もあります。夜間や休日でも対応しているサービスもあり、外出が難しい状況でも利用しやすい選択肢です。処方後は薬が配送されますが、到着までに時間がかかる場合があります。服用タイミングの緊急性を考慮したうえで選択してください。
アフターピルは健康保険が適用されず、自費診療となります。費用は医療機関やサービスによって異なるため、正確な金額は受診先にご確認ください。性的被害を受けた場合は、公費による助成制度が利用できる場合があります。詳細は各都道府県の相談窓口または記事末尾の相談窓口情報をご確認ください。
未成年でも受診・購入は可能です。薬局でのOTC購入については、制度上の年齢制限はなく、親の同意も不要とされています。ただし、16歳未満の方や性暴力が疑われる状況の場合には、薬剤師が医療機関や支援窓口へのつなぎを行うことが求められており、薬局での対応が通常と異なる場合があります。不安な状況にある場合は、まず記事末尾の相談窓口にご連絡いただくことも選択肢のひとつです。
保険証がない場合でも、自費診療のため受診は可能な場合が多いですが、医療機関によって対応が異なります。事前に確認することをお勧めします。
アフターピルの服用後に起こりやすい副作用として、以下のものが挙げられます。
これらの症状は多くの場合、一時的なものとされています。症状が強い、または長引く場合は医療機関にご相談ください。
アフターピルを服用すると、次の生理の時期が前後にずれる場合があります。また、服用後に「消退出血」と呼ばれる出血が起こることがあり、これは生理とは異なるものです。消退出血と生理の見分け方、生理の変化が続く場合の対応、妊娠検査薬を使うタイミングなどについては、別記事「アフターピルを飲んだ後に起こること」で詳しく解説しています。
添付文書に基づく主な禁忌として、以下が挙げられます。
添付文書に基づく主な慎重投与の対象として、以下が挙げられます。
上記に該当する方や、持病・既往歴がある方は、服用前に必ず医師または薬剤師にご相談ください。
添付文書には、一部の薬との相互作用に関する注意が記載されています。代表的なものとして、肝酵素を誘導する薬(一部の抗てんかん薬・抗結核薬など)との併用によりアフターピルの効果が低下する可能性があるとされています。現在何らかの薬を服用中の方は、必ず医師または薬剤師にその旨をお伝えください。

アフターピルを服用した後、妊娠しているかどうかを確認するには、服用後3〜4週間を目安に妊娠検査薬を使用することが一般的に推奨されています。それより早いタイミングでは正確な結果が得られない場合があります。
アフターピルを服用した後の性交渉には、緊急避妊の効果は期待できません。次の生理が来るまでの間も、コンドームなど別の避妊手段を継続して使用することをお勧めします。
アフターピルには性感染症(STI)の予防効果はありません。性感染症のリスクが心配な場合は、別途STI検査を受けることを検討してください。服用後の体の変化・消退出血・生理の詳細・今後の避妊方法については、別記事「アフターピルを飲んだ後に起こること」で詳しく解説しています。
アフターピルを服用しても、妊娠を100%防げるわけではありません。
代表的な国際試験では72時間以内の服用で一定の妊娠阻止率が報告されていますが、確実な避妊を保証するものではないとされています。服用後に次の生理が大幅に遅れる場合は、服用後3〜4週間を目安に妊娠検査薬の使用または婦人科・産婦人科への受診をお勧めします。
アフターピルは緊急時のための薬であり、繰り返しの使用は推奨されていません。
将来の妊娠に直接影響するという報告は現時点では一般的に示されていませんが、体への負担となる可能性も考えられます。緊急避妊が必要な状況が続く場合は、日常的な避妊方法について婦人科・産婦人科に相談することをお勧めします。
アルコールとアフターピルの相互作用については、現時点では明確なデータが少ないとされています。
服用時はなるべくアルコールを控えることが望ましいという考え方もありますが、具体的な対応については医師または薬剤師の説明に従ってください。
受診・服用はご本人の意思で可能です。
診察内容や処方内容については医療機関の守秘義務の範囲で対応されますが、詳細は受診先の医療機関にご確認ください。
低用量ピルは毎日継続して服用する日常的な避妊薬であり、アフターピルは緊急時のみに使用する薬です。
用途・服用方法・体への作用がまったく異なります。適切に使用した場合の低用量ピルの避妊率は非常に高いとされています。日常的な避妊手段として低用量ピルを検討する場合は、婦人科・産婦人科にご相談ください。
アフターピルについて、この記事でお伝えしたポイントをまとめます。
不安なことがあれば、一人で悩まずに医療機関や以下の相談窓口にご連絡ください。
性犯罪・性暴力被害者のためのワンストップ支援センター相談電話:#8103(ハートさん)
各都道府県の女性相談センター・配偶者暴力相談支援センター
※本記事の内容は2026年6月時点の情報に基づいています。制度・薬剤情報は変更される可能性がありますので、最新情報は各公式ページおよび医療機関にてご確認ください。
※本記事は情報提供を目的としており、特定の診断・治療を推奨するものではありません。個別の判断については、必ず医師または薬剤師にご相談ください。

産科婦人科吉田医院吉田 耕太郎 先生
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