最終更新日:2026.01.16 | 投稿日:2026.01.16

肺炎とは?原因・症状・検査・治療・予防までを専門医監修で解説

肺炎とは?原因・症状・検査・治療・予防までを専門医監修で解説

肺炎は、決して珍しい病気ではありません。
日本では死因の上位に位置する疾患であり、厚生労働省の人口動態統計によると、2023年時点では死因の第5位前後を占めています。特に高齢者では重症化しやすく、命に直結する重大な病気です。

一方で、肺炎の初期症状は風邪と区別がつきにくく、「もう少し様子を見よう」と考えているうちに、気づかないまま悪化してしまうケースも少なくありません。だからこそ、肺炎について正しく知っておくことが重要です。

肺がどのような役割を担っているのか、そして肺炎が肺のどこで起こる病気なのかを理解することで、体の変化に気づきやすくなり、早めの受診や適切な対応につなげることができます。

本記事では、呼吸器科の専門医監修のもと、患者さんやご家族にも分かりやすく、肺の役割と肺炎について丁寧に解説します。

目次

肺はなぜ感染症に弱いのか

肺は、体の中で最も外の環境にさらされている臓器です。私たちは1日に約2万回呼吸をし、そのたびに空気中の細菌やウイルス、微粒子を体内に取り込んでいます。つまり肺は、常に病原体の侵入口になり得る場所です。

さらに肺の末端にある肺胞は、血液と直接ガス交換を行う極めて重要な場所です。ここは酸素を効率よく取り込むため、壁が非常に薄く作られています。その反面、防御の余地が少なく、感染が成立しやすい構造でもあります。

本来、呼吸器にはいくつかの防御機構があります。

鼻や喉での異物の捕捉、気管支の線毛運動、咳反射、肺胞マクロファージによる免疫防御などが連携し、病原体の侵入を防いでいます。

しかし、

  • 加齢
  • 喫煙
  • 体力や免疫力の低下
  • 基礎疾患の存在

といった条件が重なると、これらの防御機構は簡単に弱まります。特に高齢者では、咳反射や嚥下機能が低下し、病原体が肺胞まで到達しやすくなることが分かっています。

肺は生命維持に不可欠な臓器である一方、構造的に感染症に弱いという宿命を抱えています。この弱点を理解しておくことが、肺炎を早く見つけ、重症化を防ぐ第一歩になります。

肺炎とはどんな病気?

肺炎とは、肺の末端にある袋状の組織「肺胞」を中心に起こる炎症です。

風邪や気管支炎と混同されがちですが、炎症が起きている場所がまったく違う点が重要です。

肺胞は、酸素を血液に取り込み、二酸化炭素を体外へ排出するガス交換の中枢です。肺炎では、この肺胞に細菌やウイルスなどが侵入し、炎症が起こります。

炎症が進むと、肺胞の中に

  • 炎症細胞
  • 滲出液

がたまり、本来空気が入るはずのスペースが失われます。その結果、十分な酸素を取り込めなくなり、体が酸欠状態に陥る。これが、肺炎で「息苦しさ」「強いだるさ」「動けない」といった全身症状が出る理由です。

ここで押さえておきたいポイントがあります。

肺炎は、単なる感染症ではありません。「呼吸そのものを支える場所」が直接ダメージを受ける病気です。だからこそ、症状が急に悪化し、重症化すると命に関わります。

また肺炎には、細菌性・ウイルス性・誤嚥性などさまざまなタイプがあります。原因によって治療法は大きく異なり、正確な診断が回復を左右します。

肺炎は誰にでも起こり得る病気ですが、軽く見るべき病気ではありません。「いつもと違う」「治りが悪い」と感じた時点で、早めに医療機関を受診することが、重症化を防ぐ最も確実な方法です。

なぜ肺に炎症が起こるのか

肺の構造と防御反応

肺には、本来病原体となる異物が体内に侵入しないよう、いくつものバリアが備わっています。鼻や喉で異物を捕らえ、気管支では線毛運動によって外へ押し戻す仕組みが働いています。

しかし、これらの防御をすり抜けて病原体が肺の末端にある肺胞まで到達すると、状況は一変します。

肺胞は、酸素と二酸化炭素を交換するために壁が非常に薄く、血管と密接に接しています。そのため、ここに異物が侵入すると、肺胞に存在する免疫細胞が一斉に迎え撃ちます。

免疫細胞が病原体と戦う過程で、肺胞を取り囲む毛細血管から浸出液(炎症による液体成分)が肺胞内にしみ出してきます。すると本来、空気が入るはずの肺胞が液体で満たされ、酸素が十分に取り込めなくなる。これが、肺炎で「息苦しさ」や「酸素不足」が起こる直接的な理由です。

異物の量が多かったり、病原体の力が強かったりすると、炎症はなかなか収まらず、浸出液の増加や肺胞の破壊が続きます。この状態が長引くと、呼吸状態はさらに悪化し、重篤な肺炎へと進行します。

つまり肺炎とは、

  • 病原体が肺胞に到達し
  • 免疫が必死に防御した結果
  • 呼吸の場そのものが使えなくなる

という、構造的に避けにくい仕組みで起こる病気なのです。

肺炎の種類と原因

肺炎は、「肺に炎症が起こる」という結果は同じでも、何が原因で起きたのか、どのような環境で発症したのかによって性質が大きく異なります。

肺炎を理解するうえでは、

  1. 原因となる病原体(ウイルスか細菌か)
  2. 発症した場所(市中か院内か)

この2つの視点で整理することが重要です。

① 原因となる病原体による分類

細菌性肺炎

細菌が原因で起こる肺炎で、最も頻度が高いタイプです。肺炎球菌などの細菌が肺胞に侵入し、免疫反応によって強い炎症が起こります。

炎症が起こると、肺胞内に膿や浸出液がたまり、急激に呼吸が苦しくなることがあります。

  • 高熱
  • 黄色〜緑色の痰
  • 全身状態の急な悪化

といった症状が出やすく、抗菌薬治療が有効です。

ウイルス性肺炎

ウイルス性肺炎は、インフルエンザウイルスや新型コロナウイルスなどが原因で起こります。特に新型コロナウイルス感染症では、ウイルスそのものによる肺胞障害に加え、過剰な炎症反応が肺炎の重症化に関与することが分かっています。ウイルスは肺胞の細胞そのものを傷つけるため、炎症が広範囲に及びやすいのが特徴です。

  • 発熱
  • 乾いた咳
  • 息切れ

が目立ち、抗菌薬は効果がありません。重症化すると酸素投与や入院治療が必要になります。

② 発症した場所による分類

市中肺炎

市中肺炎とは、入院前、または入院後48時間未満に発症した肺炎を指します。日常生活の中で感染する肺炎で、原因となる病原体には一定の傾向があります。

主な原因は、

  • 肺炎球菌
  • インフルエンザウイルス

など、比較的よく知られた病原体です。

そのため、原因菌をある程度予測しやすく、初期治療の方針が立てやすいという特徴があります。ただし、高齢者や基礎疾患のある方では重症化することもあり、注意が必要です。

院内肺炎

院内肺炎とは、入院してから48時間以上経過した後に発症した肺炎を指します。すでに体力や免疫力が低下している状態で起こることが多く、治療が難しくなりやすい肺炎です。

市中肺炎と大きく異なる点は、原因となる病原体の種類です。

院内肺炎では、

  • 薬剤耐性菌
  • 病院環境に特有の細菌

が原因となることが多く、一般的な抗菌薬が効きにくいケースも少なくありません。

そのため、院内肺炎は

  • 重症化しやすい
  • 治療が長引きやすい

という特徴があり、慎重な管理と専門的な治療が必要になります。

市中肺炎と院内肺炎の違いが重要な理由

市中肺炎と院内肺炎では、

  • 発症の定義(48時間の区切り)
  • 原因となる病原体の種類
  • 治療の難しさ

が大きく異なります。

同じ「肺炎」でも、背景が違えば対応もまったく変わる。この点を理解しておくことが、肺炎を正しく知るうえで非常に重要です。

肺炎が重症化しやすい人の特徴

肺炎は誰にでも起こり得る病気ですが、重症化しやすい人には明確な共通点があります。それは「特別な体質」ではなく、肺の防御機構や全身の回復力が低下している状態です。

高齢者(65歳以上)

肺炎が重症化する最大の要因は加齢です。

年齢とともに、

  • 免疫力の低下
  • 咳反射の低下
  • 嚥下機能の低下

が進み、病原体や異物が肺胞まで到達しやすくなります。実際、肺炎による死亡の大半は高齢者に集中しています。

嚥下機能が低下している人

食べ物や唾液が誤って気道に入りやすい状態では、誤嚥性肺炎を起こしやすくなります。

  • 脳卒中の後遺症
  • 認知症
  • 寝たきり状態

がある方では、発熱や咳が目立たないまま進行することもあり、気づいたときには重症化しているケースが少なくありません。

慢性の肺疾患がある人

COPDやぜんそく(喘息)など、もともと肺に慢性的な炎症やダメージがある場合、肺炎をきっかけに一気に呼吸状態が悪化することがあります。

これらの疾患があると、

  • 肺の予備力が少ない
  • 気道や肺が炎症に敏感になっている

という状態のため、肺炎による炎症が加わることで、呼吸困難や低酸素状態が急速に進行しやすくなります。

特にぜんそくのある方では、肺炎を契機に喘息発作が誘発されることもあり、症状が重なって重症化するリスクが高くなります。

免疫力が低下している人

以下のような状態では、病原体を十分に排除できず、炎症が長引きやすくなります。

  • 糖尿病
  • がん治療中
  • ステロイドや免疫抑制薬の使用

結果として、治りにくく、重症化しやすい肺炎になりやすいのが特徴です。

体力・栄養状態が低下している人

低栄養や脱水状態では、免疫反応や回復力そのものが落ちます。

  • 食事量が減っている
  • 体重が減少している
  • 水分摂取が少ない

といった状態は、肺炎の見逃せないリスクサインです。

肺炎が重症化しやすい背景には、「肺を守る力」と「回復する力」の低下があります。

特に高齢者では、「少しの異変」が「急激な悪化」につながりやすい。だからこそ、早めに気づき、早めに対応することが最も重要です。

肺炎の症状

肺炎はどのような経過で進行するのか

肺炎は、突然重症になる病気ではありません。多くの場合、次のような経過をたどって進行します。

  1. 風邪のような症状(発熱・咳・だるさ)
  2. 咳や痰が増え、熱が下がらない
  3. 息切れや呼吸の苦しさが出てくる
  4. 酸素が足りず、日常動作がつらくなる

肺胞の炎症が広がるにつれ、浸出液が増え、酸素の取り込みが徐々に障害されていくのが肺炎の本質です。

特に高齢者では、この進行が自覚症状に乏しいまま進むことがあります。

重症か軽症かは、症状だけで見分けられるのか

結論から言うと、症状だけで重症度を正確に判断することはできません。

たとえば、

  • 熱がそれほど高くない
  • 咳が強くない

場合でも、

  • 肺炎の範囲が広い
  • 酸素の取り込みが大きく低下している

ことがあります。

特に高齢者や基礎疾患のある方では、見た目よりも中で進行しているケースが少なくありません。

重症化のサインとして注意すべき症状

以下のような症状がみられる場合は、重症化の可能性があります。

  • 少し動くだけで息切れが強い
  • 会話をするのがつらい
  • 唇や爪が紫っぽくなる
  • 意識がぼんやりする
  • 食事や水分がほとんど取れない

これらは、酸素不足が進んでいるサインです。

なぜ早期受診が重要なのか

肺炎は、早期に治療を開始できれば軽症で済む病気です。一方で、受診が遅れると、

  • 入院が必要になる
  • 回復に時間がかかる
  • 体力の低下が長引く

といったリスクが高まります。

「様子を見るか迷う」段階こそ、受診のタイミングです。早めの診断が、重症化を防ぐ最大のポイントになります。

肺炎の診察・検査・診断

  • テキストが入ります。
  • テキストが入ります。
  • テキストが入ります。

肺炎の診断は、1つの検査結果だけで決まるものではありません。実際の医療現場では、「診察 → 検査 → 総合的な診断」という流れで、段階的に判断されます。

ここでは、それぞれの役割を整理して解説します。

① 診察:まず「肺炎を疑う」段階

最初に行われるのが、問診と身体診察です。この段階の目的は、肺炎の可能性があるかどうかを見極めることです。

医師は主に次の点を確認します。

  • 発熱・咳・痰の経過
  • 呼吸が苦しくないか、息切れの有無
  • 呼吸数、酸素飽和度(SpO₂)
  • 聴診で異常な呼吸音(ラ音)があるか
  • 全身状態(食事量、意識、動けているか)

特に高齢者では、熱や咳が目立たなくても肺炎が進行していることがあります。「普段と違う様子がないか」は、診察で非常に重要なポイントです。

② 検査:何を調べる検査なのか

肺炎の検査には、目的の異なる2種類があります。

肺炎かどうかを調べる検査

これらは、肺に炎症が起きているか(=肺炎そのもの)を確認するための検査です。

  • 胸部レントゲン検査
  • 胸部CT検査
  • 肺エコー(肺超音波)

これにより、

  • 肺炎の有無
  • 炎症の広がり
  • 重症度

を評価します。

※この段階では、原因までは確定しません。

肺炎の原因・種類を調べる検査

こちらは、なぜ肺炎が起きたのかを推定するための検査です。

  • 血液検査(白血球数、CRPなど)
  • 痰の検査(細菌の有無・種類)
  • ウイルス検査(インフルエンザ、新型コロナなど)
  • 既往歴・生活背景の確認(誤嚥の可能性、入院中かどうか)

これらを組み合わせて、

  • 細菌性かウイルス性か
  • 市中肺炎か院内肺炎か
  • 誤嚥性肺炎の可能性

を判断し、治療方針を決めていきます。

③ 診断:すべてを合わせて判断する

肺炎の診断は、診察所見・画像検査・検査データを総合して行われます。

たとえば、

  • 症状は軽いが画像では広範囲の肺炎
  • 発熱がなくてもCTで肺炎が確認される
  • レントゲンでは不明瞭でも臨床的に肺炎と判断

といったケースも珍しくありません。そのため、「症状だけ」「検査結果だけ」で肺炎と決めることはしないという点が非常に重要です。

検査が多く行われるのは、無駄だからではなく、正確に診断し、適切な治療につなげるためです。 少しでも肺炎が疑われた場合は、早めに医療機関を受診し、この流れに沿った評価を受けることが、重症化を防ぐ最善策です。

肺炎の予防とセルフケア

肺炎は、治療が必要な病気であると同時に、日常の工夫によって予防できる病気です。特に高齢者や基礎疾患のある方では、日々のセルフケアの積み重ねが、重症化や再発のリスクを大きく左右します。

口腔ケアは肺炎予防の要

肺炎予防において、最も重要で、かつ見落とされやすい対策が口腔ケアです。

口腔内には、1000〜2000億個を超える細菌が存在するといわれています。歯周病や虫歯がある場合、口腔内の細菌数はさらに増え、病原性も高くなります。

高齢者や嚥下機能が低下している方では、睡眠中や食事中に唾液や微量の内容物を誤って気道に吸い込むことがあります。その際、口腔内の細菌が肺に入り、誤嚥性肺炎を引き起こします。つまり、「肺炎予防」にとっての口腔ケアの大きな目的は、歯をきれいにすることではなく、口腔内の細菌を減らすことです。

歯磨き、舌や口腔内の清掃、義歯(入れ歯)の適切な管理を続けることで、肺に侵入する細菌量そのものを減らすことができます。口腔ケアは、毎日できる、最も現実的で効果的な肺炎予防です。

口腔ケア+ワクチンで重層的に予防する

口腔ケアに加えて、ワクチン接種も肺炎予防として有効です。

特に肺炎球菌ワクチンは、高齢者の肺炎原因として頻度の高い肺炎球菌による重症化や死亡リスクを下げることが分かっており、65歳以上では定期接種の対象(B類疾病)となっています。

ワクチンは「肺炎にかからないため」ではなく、「かかっても重くならないため」の重要な予防策です。また、インフルエンザワクチンの接種も肺炎予防に欠かせません。

インフルエンザは、それ自体がウイルス性肺炎を起こすだけでなく、細菌性肺炎を引き起こすきっかけにもなります。 毎年のインフルエンザワクチン接種は、肺炎を含む重い合併症を防ぐ意味でも重要です。

日常生活のセルフケアと早期対応も重要

肺炎は、免疫力が低下したタイミングで、風邪や体調不良をきっかけに発症することが多い病気です。そのため、日常生活で免疫力を保つことも、肺炎予防につながります。

  • 十分な睡眠
  • バランスの取れた食事
  • こまめな水分補給
  • 手洗い・うがい
  • そして口腔ケア

これらは特別なことではありませんが、免疫力を下げないための基本です。

また、

  • 発熱や咳が長引く
  • 体力が戻らない

といった状態は、免疫力が落ちているサインでもあります。この段階で医療機関を受診することは、立派な肺炎予防です。

体の変化に早く気づくことも予防

特に高齢者では、肺炎の初期症状が目立たないことがあります。

  • 元気がない
  • 食事量が減った
  • 息切れが増えた

こうした「いつもと違う変化」に気づき、早めに受診することが、重症化を防ぐ最大のセルフケアになります。

特別な治療ではなく、毎日のケア+定期的な予防接種+早めの対応。この積み重ねが、肺炎から命を守ります。

肺炎に関するよくあるご質問

肺炎は高齢者に多いと聞きますが、若い人も肺炎になりますか?

なります。

肺炎は高齢者に多い病気ですが、若い人でも発症します。特に、強い風邪やインフルエンザ、新型コロナウイルス感染症の後、体力や免疫力が低下したタイミングでは、若年層でも肺炎を起こすことがあります。

薬の副作用で肺炎になることはありますか?

あります。

一部の薬では、免疫機能を抑える作用や、肺に炎症を起こす副作用により、薬剤性肺炎を起こすことがあります。また、ステロイドや抗がん剤などで免疫力が低下すると、感染性肺炎のリスクも高まります。

肺炎は人にうつりますか?遺伝しますか?

肺炎そのものが遺伝することはありません。

ただし、原因となるウイルスや細菌は人から人へうつることがあります。その結果、感染した人が肺炎を発症することがあります。

ほかの手術のあとに肺炎になることがあるのは本当ですか?

本当です。

手術後は、

  • 体力や免疫力の低下
  • 痛みによる呼吸の浅さ
  • 長時間の安静

などが重なり、術後肺炎を起こしやすくなります。特に高齢者では注意が必要です。

肺炎と風邪は自分で区別できますか?

はっきり区別するのは難しいです。

初期症状は似ていますが、肺炎では

  • 息切れ
  • 強いだるさ
  • 回復の遅さ

が目立つことがあります。自己判断せず、症状が続く場合は受診が大切です。

風邪から肺炎になることはありますか?

あります。

風邪やインフルエンザによって免疫力が低下すると、細菌が肺に侵入し、二次的に肺炎を起こすことがあります。「風邪が長引いている」と感じたら要注意です。

エンピリック治療(経験的治療)とは何ですか?

エンピリック治療(empiric therapy)とは、原因となる細菌が特定できる前に、想定される病原体に対して治療を開始する方法です。

肺炎では、検査結果がすぐに確定しないことが多いため、

  • 症状
  • 年齢
  • 基礎疾患
  • 市中肺炎か院内肺炎か

などをもとに、最も可能性の高い原因菌を想定して抗菌薬を開始します。これがエンピリック治療です。

その後、

  • 痰の検査結果
  • 症状の改善具合

を見ながら、抗菌薬を変更・調整(デエスカレーション)していきます。エンピリック治療は、治療を急ぐ必要がある肺炎において、世界的にも標準的な考え方であり、「当てずっぽう」ではなく、医学的根拠に基づいた合理的な治療戦略です。

エンピリック治療とは、「分かってから治す」のではなく、「悪化する前に、最も可能性の高い原因を想定して先に治す」ための治療です。

肺炎は完治したあとも、しばらく注意が必要ですか?

はい、必要です。

肺炎は症状が改善しても、肺の炎症が完全に落ち着くまでには数週間〜1か月以上かかることがあります。

この期間に無理をすると、

  • 再燃
  • 回復の遅れ
  • 体力低下の長期化

につながることがあります。治療後もしばらくは、無理をせず、体調の変化に注意することが大切です。

肺炎の治療後、日常生活で気をつけることはありますか?

あります。回復期には次の点を意識してください。

  • 急に普段どおりの生活に戻さない
  • 十分な休養と睡眠をとる
  • 食事・水分をしっかり摂る
  • 咳や息切れが続く場合は再受診する

特に高齢者では、「治ったあと」が一番疲れやすい時期です。回復を焦らず、体力が戻るまで慎重に過ごすことが、再発防止につながります。

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こちらの記事の監修医師

鎌田 広基

鎌田内科クリニック鎌田 広基 先生

岩手県盛岡市の鎌田内科クリニック、院長の鎌田です。昭和42年1月19日、当地に父が診療所を開設し、平成5年に小生が着任して現在に至っております。その間、平成8年に老人保健施設”銀楊”の開所により、父はその施設長、小生は当院の院長に就任しました。

当クリニックがこれまでの歳月を歩むことができたのは、ひとえに、皆様のお力添えのおかげと、深く感謝しております。
地域医療の益々の発展と、皆様が健康で豊かな毎日を過ごしていただけるように、スタッフ一同、より一層精進して参ります。今後とも鎌田内科クリニックを宜しくお願い致します。

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