最終更新日:2023.11.18 | 投稿日:2023.11.16

急に不安感に襲われるのはなぜ?不安障害の症状と種類、治し方を解説

急に不安感に襲われるのはなぜ?不安障害の症状と種類、治し方を解説

生きていく中で、不安はつきものです。たとえば大切な試験が合格できるか、大きな仕事が成功するか、など。人生において不安になることは誰しも経験する感情です。

このようなライフイベントや環境が変化するときは、不安が生じることが多くなります。そして不安を乗り越えることで、人生が充実して生き生きと過ごすことができるという方もいます。その側面を考えると、不安も必要な感情のひとつであり、一時的に不安があるからといって問題があるとは言い切れません。しかし一方で、不安が基盤となって発症してしまう病気が多いことも事実です。

本記事では医師監修のもと、不安を基盤とした疾患(不安障害)の種類や、それによって起こる症状、治し方を解説します。

突然起こる不安感の原因

「急に不安感に襲われるのはなぜ?」と悩まれている方がたくさんいらっしゃいます。

誰しもが経験する通常の不安と、不安を基盤とした病気との違いはどこにあるのでしょうか。これは、端的にいえば「日常生活にどの程度の支障が生じているかどうか」で診断されることが多いです。

たとえば大切な試験に受かるか不安に思い、受けること自体を断念してしまった。あるいは、大きな仕事が舞い込んできたときに、成功するか不安を感じて、結果的には退職に至ってしまった、など。

一見、大げさな例にも思えるかもしれませんが、医療の現場では実際にそのような方がいらっしゃいます。

この不安感は病気? – 受診の目安

  • 言いようのない不安に襲われる
  • よく分からないけれど、なんだか怖い
  • 不安が募って、気が狂いそう
  • 動悸・息切れの症状がる(胸が苦しい、息苦しい)
  • 過度に緊張してしまう

など、さまざまな不安に襲われることがあれば、一度受診しましょう。

単に不安を感じるだけでなく、不安の直面を次第に回避していくようになると、やがて自身の生活に大きな支障が出てくると考えられます。

日常生活にまで影響してしまうほどの不安は「不安障害」という病気と診断される場合があります。

強い不安感は、何科を受診する?

  • 精神科
  • 心療内科

以上を標榜している医療機関の受診をおすすめします。

精神科は、精神科医や公認心理師と呼ばれる医療従事者が、「心に問題を抱える人」などを対象に専門的な指導・援助をする医療機関です。カウンセリングなどを通して治療方針を立て、薬物療法などを検討していきます。

また心療内科は、ストレスや不安などの精神的な影響によって起こる身体の不調を診療できます。頭痛や吐き気、腹痛など体への影響が顕著な場合は、心療内科を受診しましょう。

不安でたまらない – 不安を基盤とした病気

目の前にある出来事に対して不安を感じることはよくあります。その一方で、これから先のこと、まだ何も起こっていないこと、未来のものや何かわからない出来事に対しても、強い不安感を覚えたり心配したり、緊張のようなよく分からない恐怖感を覚えることがあります。

このように一時的に不安があるからといって単に病気とは診断されませんが、不安が基盤となって起こる病気は決して珍しいものではありません。

不安障害としてあげられる

  • パニック障害
  • 限局性恐怖症
  • 全般性不安障害
  • 社交不安障害

を解説します。

パニック障害

パニック障害は、予期しないときに動悸や息苦しさを憶える「パニック発作」を主症状とします。

  • 突然、強い不安感に襲われる
  • 人前に立つと極端に緊張してしまう
  • 呼吸困難感や動悸などが突然起こる
  • パニック発作を恐れて行動できなくなる
  • ある特定の状況に限り、不安や恐怖を感じる

など

これらはパニック障害の

  • パニック発作
  • 予期不安
  • 広場恐怖

という特性によって起こる症状です。

「パニック発作が起きるのではないか」と予想する不安(予期不安)が強くなります。そのため、強い不安に襲われたときに「すぐに逃げられない」と感じてしまう状況や場所に自分がいることでさらに恐怖や不安を抱いてしまい、結果的に日常生活に支障が出てくるのがパニック障害の特徴です。

社交不安障害

社交不安障害は、社会的場面で強い不安に襲われるという特徴があります。

社会的場面とは、人前で話す・字を書くなど、他人から視線を集めるような状況があげられます。

  • 顔が赤くなる
  • 汗をかく
  • 体が震える
  • お腹が痛くなる

など

失敗や恥を予想してしまい「自分がどう思われているか」が気になって必要以上に強い不安が生じます。

このように社交不安障害は、明確に強い不安が基盤となって起こります。

自律神経の乱れによって起こる不安

原因がはっきりとはわからないけれど、なんとなく体調がすぐれないという状態を不定愁訴(ふていしゅうそ)といいます。

この状態が長く続いたり、症状の悪化を繰り返したりする場合、自律神経失調症と診断される場合があります。

自律神経失調症に多い症状

  • 胸がドキドキする、苦しい(動悸)
  • 息苦しく感じる
  • 手が震える
  • 喉が詰まる、違和感がある
  • 手先が震える、しびれる、冷たく感じる
  • 顔がほてる
  • 汗をかきやすい

など、体のあらゆる部分を司る自律神経にトラブルが起こるため、さまざまな症状がみられます。

医療機関を受診しても「原因不明」と診断されてしまうことが多く、さらに不安や心配が募り、症状がひどくなると外出や会社に行くのを控えてしまうなど、行動制限が生じてしまう方もいらっしゃいます。

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こちらの記事の監修医師

佐竹 学

からだとこころのクリニックラポール佐竹 学 先生

宮城県仙台市の心療内科、からだとこころのクリニックラポールでは、身体疾患にも精神疾患にも対応しています。そのため、症状や原因別にそれぞれ違う病院に通って頂く必要はありません。

場合によっては、專門治療を行っている大学病院などにご紹介させて頂くこともございますが、まずは当クリニックにお越し頂ければ、適切な検査と診断を行い、患者さまにとって最も良いと思われる治療方針をご提案させて頂きます。

身体の症状にせよ、心の問題にせよ、患者さまがお持ちのお悩みは全て真正面から受け止めるようにしています。
職場や家庭についての不満、転職や転勤など環境変化による不安など、何でもお気軽にお話しください。

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